■2018年3月期の見通し



2018年3月期についてムサシ<7521>は、売上高34,923百万円(前期比1.0%減)、営業利益604百万円(同45.5%減)、経常利益678百万円(同45.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益394百万円(同49.6%減)と、前期比減収減益を予想している。



なお、この業績見通しには2017年9月1日付で子会社化が予定されているエム・ビー・エスの業績はまったく織り込まれていない。この点は今後、上方修正されてくることになる。したがって、2018年3月期の業績見通しについては、オーガニック・グロース(既存事業の成長)の視点と、前述のエム・ビー・エス子会社化の影響の2つの観点から分析する必要がある。



オーガニック・グロースという点では、2018年3月期は国政選挙の実施を織り込んでいないことが第1に挙げられる。これを反映して選挙システム機材部門の2018年3月期売上高は1,500百万円(前期比62.2%減)と大幅減収が想定されている。これに伴う減益インパクトは500百万円前後と弊社では推定している。



その他の事業部門では増収が計画されている。情報システム機材部門の文書デジタル化事業については、前期からのずれ込みもあるため2018年3月期の売上高を4,889百万円(前期比20.9%増)と大幅増収を予想している。需要先としては民需が主体との構造は変わらず、採算性を重視した受注姿勢もこれまでと変化はない見通しだ。



印刷システム機材部門の売上高を14,600百万円(前期比8.1%増)と高い伸びを予想しているのは、印刷機ではなく、印刷後に付加価値をつけるための機械(レーザー加工機やラミネート加工機など)の販売増を見込んでいることが理由だ。また金融汎用システム機材部門では、金融機関によるガバナンス強化の取り組みの中でセキュリティ関連機器の売上増を想定している。



既存事業の成長に関しては今後の推移を見守りたいと考えているが、選挙システム機材部門の売上高見通しの1,500百万円は控えめ過ぎる印象だ。国政選挙スキップ年においても収益規模は少しずつ切り上がってきているのは前出のグラフからも読み取れる。また2017年7月には東京都議会選挙も実施されていることを考えれば、もう少し上乗せされてくる可能性は十分高いと考えている。さらに、仮に衆院解散・総選挙が実施されれば、前述した収益インパクト相当額が上方修正要因となってくることが期待される。



エム・ビー・エスが承継する事業の2016年3月期の売上高は7,513百万円だった。この中には、ムサシとの取引によって新規連結の際に内部取引として消去される分が約600百万円含まれていた。したがって、エム・ビー・エスの外部売上高の規模は約7,000百万円と考えられる。2017年9月1日付でエム・ビー・エスが子会社化される予定のため、2018年3月期は7ヶ月分が現在の業績予想に上乗せされてくる。前述の7,000百万円をベースに試算すれば、2018年3月期は7ヶ月分の4,083百万円が新規連結されてくることになる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)