■業績の動向



サンコーテクノ<3435>の2017年3月期は、売上高15,497百万円(前期比6.9%減)、営業利益1,124百万円(同16.0%減)、経常利益1,119百万円(同10.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益790百万円(同2.4%減)と、減収減益で着地した。



同社は、第2四半期決算に際して業績見通しを下方修正したが、通期実績はその修正予想に対しても未達となった。ファスニング事業における太陽光関連売上高の減少とオリンピック関連需要の出遅れ、機能材事業における製品展開の見直しと、3つのマイナス要因が同時に起こったことが苦戦の要因だと弊社ではみている。



ファスニング事業は、売上高11,859百万円(前期比5.9%減。売上高は内部取引を除いたベース、以下同じ)、営業利益1,546百万円(同10.7%減)で着地した。金属系あと施工アンカーは各種設備工事の需要回復に伴い、堅調に推移し、前期比ほぼ横ばいで着地した。接着系あと施工アンカーは、太陽光関連工事や耐震補強工事の減少により、減収となった。各種工事関連は、同社の独自技術を活用した耐震工事・改修工事は好調を維持したものの、太陽光関連需要が低調だったほか、土木工事の一部で計画を下回った。



機能材事業は、売上高3,637百万円(前期比10.0%減)、営業利益444百万円(同10.6%減)となった。機能材事業では、製品ラインナップの整理統合を進め、競争力があり収益力の高い製品への絞込みを進めている。アルコール測定器は新製品の販売が好調で前期比大幅増収となった。電動油圧工具は北米を中心とした海外売上高は好調だったが、国内販売は大きく落ち込み、全体では減収となった。FRPシート関連は二重床等の複合材料の販売が減少し、前期比減収となった。



海外売上高は前期比3.2%増の888百万円となった。北米の売上高が前期比9.4%増と好調で全体をけん引した。またアジアにおいても、東アジアでは減収となったが東南アジアでの販売は堅調に推移した。



同社がKPI(重要経営評価指標)の1つと位置付ける新製品売上高は前期比ほぼ横ばいの3,011百万円となった。全社売上高が減少した結果、新製品売上高構成比は2016年3月期の18.2%から2017年3月期は19.4%に上昇した。



2017年3月期は全般的には厳しい1年ではあったが、主力のファスニング事業について四半期ごとの推移を見ると、第4四半期は前年同期比で0.8%増とプラスに転じた。プラス成長幅はごくわずかな値ではあるが、同社は需要が底打ちしたとの強い手応えを感じ取っているもようだ。



前述のように、2017年3月期は3つのマイナス要因が重なり、言わば最悪シナリオが実現してしまった感があるが、その中で、最後の第4四半期において需要回復の手応えを得られたことで、同社自身は2018年3月期以降の業績回復に自信が持てるとしている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)