■中期経営計画と成長戦略



3. 機能材事業の進捗状況と今後の取組み

機能材事業では選択と集中による経営資源の有効活用が大きなテーマとなっている。サンコーテクノ<3435>は子会社を通じて様々な事業多角化に取り組んできた経緯がある。そうしたなかでこれまで残っているのが、スイコーによる各種測定器や電子基板の事業、IKKによる電動油圧工具事業などであった。



同社はこれらについてさらに選択と集中を進め、経営資源の有効活用と収益力の強化を図っている。この作業は一時的な収益の縮小を招く可能性がある。当初の計画ではオリンピック関連需要によるファスニング事業の収益拡大と合わせて機能材事業の再構築を行う算段であったが、2017年3月期までのところではオリンピック関連需要による明確な盛り上がりがないまま経過した状況だ。そうしたなか同社は、2017年3月期までに機能材事業の構造改革を断行してきている。



FRP事業では、鋼製地下タンクのライニングや柱の防錆などが主な用途だったが、その後環境配慮型の「e-シートクイック」を開発し、住宅設備や食品工場等での使用にも耐えるものとした。最近では専用のプライマー(下塗り材)もリリースし、施工性向上で拡販を図っている。



IKKにおいては製造設備刷新を図った。マシニングセンタを導入し電動油圧工具のハウジング部の加工能力を拡大したほか、多機種に対応可能とした。また、アルコール測定器においては検知精度向上のためのモデルチェンジを行ったほか、クラウド型点呼サービスの提供も開始している。



機能材事業構造はファスニング事業と異なり、各商材分野が子会社や事業部単位に分かれており、それぞれの開発・製造・販売が一気通貫となっている点が特長だ。当該製品分野に特化しているため経営における意思決定が速くなっていると期待される。そうした組織体制を活かして、今後は技術・製品の深耕や、周辺領域へのヨコ展開の加速などが期待される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)