■中期経営計画と成長戦略



4. 技術の転用による事業領域拡大への取組み

先に述べたところと一部重なるが、サンコーテクノ<3435>は成長が期待される分野に向けて同社の既存技術を転用して対応することを進めている。以下に代表的なものを紹介する。



(1) 太陽光関連需要から土木需要への展開

同社は太陽光パネルの架台を地面に直接取り付けるための大型の杭材として「ディー・アーススクリュー」を開発した。太陽光関連市場が2015年3月期をピークに急速に縮小しているのは前述のとおりだ。それに対して同社は「ディー・アーススクリュー」をもとに多用途展開が可能な「マルチスクリュー」を開発した。具体的な用途としては農業用ビニールハウスなどの4号建物、立入防止柵、遊具などの固定を想定している。2017年2月にはマルチスクリューの施工性を飛躍的に上げるマルチドライバーを発売した。



(2) 建築需要から土木需要への展開

同社のボルトアンカーはコンクリート面へのベンチの取付け等、建築分野で多用されている。同社はこれにゆるみ止めナットを組み合わせて安全性をアップさせ、トンネル内の照明設備や送風ファン、遮音壁の取付用途の発売を開始した。2015年にはJCAAの認証を取得し、土木構造物での使用が本格化している。2016年12月には通常の溶融亜鉛メッキよりも高い耐久性を有するSGメッキ品の取扱いもスタートさせている。



(3) 時代に合わせた用途開発

接着系アンカーは従来、有機系樹脂が接着剤として多用されていた。同社はこうした従来型接着系アンカーに対しては施工ツールとして充電ディスペンサーを発売し、電動による樹脂排出で多量施工を簡便化した。一方、不燃性で臭いやVOCガスの発生がなく、作業環境に配慮された製品として無機系樹脂への注目が高まっており、今後の需要拡大が見込めることなどから無機系樹脂の「サイズミックエコフィラー」を開発した。これは、硬化するとコンクリートと同質になって劣化しにくく、引火の心配がない点が特長だ。更に2016年10月には施工性を改良した同製品を本格発売し、トンネル内での補強工事の効率アップに貢献している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)