■要約



高千穂交易<2676>は、セキュリティ関連などのシステム機器、機構部品、半導体などのデバイス機器を主として海外メーカーから仕入れて国内のユーザーに提供するBtoBの商社である。特に「安全・安心・快適」を提供する商品監視システムや機構部品のスライドレールでは国内トップクラスの高いシェアを持っており、近年は海外企業の買収によりセキュリティシステムや防火システムの東南アジア地区での拡販にも力を入れている。



1. 2017年3月期の業績動向

2017年3月期は、売上高19,037百万円(前期比4.8%減)、営業利益500百万円(同14.6%増)、経常利益700百万円(同70.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益279百万円(同171.0%増)の減収増益となった。売上高は、特に産機プロダクトの中の中国向けATM用、遊技機器(パチンコ機)用機構部品などの不振により減収となった。経常利益の増益幅が大きくなったのは、前期に発生した為替差損の要因を解消し、為替差益114百万円に転じたことなどの影響による。



2. 2018年3月期の見通し

進行中の2018年3月期は売上高で21,000百万円(前期比10.3%増)、営業利益で1,000百万円(同99.8%増)、経常利益で1,000百万円(同42.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で650百万円(同132.4%増)と予想している。ほぼすべての製品で増収を予想しているが、特に期待されるのはタイ子会社が扱う高度防火システム、採用が遅れていたRFID関連、引き続き好調なクラウド型無線LANシステム、米国向けの住設機器用機構部品などである。また、過去数年間に積極的に行ってきたM&Aによるのれん償却もピークを過ぎ減少に向かうことも増益要因だ。したがって、営業利益の伸び率は高いが、決して不可能な予想ではない。



3. 中期経営計画

同社は経常利益をV字回復させ、2021年3月期に経常利益20億円を目指せる事業基盤を構築することを目的とした中期経営計画を2016年5月に発表している。計画期間の最終年度の2019年3月期は経常利益15億円の目標を掲げているが、現時点ではこれらの目標を変えていない。買収という先行投資が回収のフェーズに入ってくるなかで、既存商品を既存市場で拡大させるのはもちろんのこと、新規市場(主に海外)での拡販、既存市場へ新規製品の投入などを行う計画だ。さらに、まったく新しい商品を新規市場に投入することも狙っており、今後同社の事業ポートフォリオがどう変わっていくかは大いに注目する必要がありそうだ。



■Key Points

・システム機器、機構部品、半導体等のBtoB輸入商社であり、専門的技術者が多い

・2018年3月期は高度防火システム、RFID関連等の拡大で営業利益倍増を計画

・中期経営計画を推進中で2019年3月期に経常利益15億円を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)