■中期経営計画



高千穂交易<2676>の2016年3月期までの3年間の業績(経常利益)は、円安やのれん償却などの逆風の影響もあり大きく落ち込んだ。これを立て直し再び利益成長路線に戻るために2017年3月期から2019年3月期に向けての中期経営計画を発表している。この中期経営計画では経営方針に「独自ソリューションの展開とグローバル事業の拡大による利益成長の実現」を掲げ、定量的ターゲットとしては2019年3月期に売上高25,500百万円、経常利益1,500百万円を目指している。



そのために、同社グループが国内外で展開する異なる専門事業分野の技術、商品、地域、顧客、経験を結集させ、新たな市場を創出させるため、「Challenge toward 2018 -Beyond Boundaries-」を中長期的スローガンにし、次の3つのチャレンジを行っていく。



Boundary1: 組織間の境界線を踏み越える

Boundary2: 地域的な境界を飛び越える

Boundary3: 事業領域の境界にチャレンジする



具体的な戦略は以下のとおりである。



(1) 既存事業の収益拡大:付加価値創出による競争力の強化

a) グループの専門性を結集した独自のシステムソリューションによる競争力強化

b) 独自のカスタマイズで顧客製品の価値を増大させるデバイスソリューション

c) 顧客満足を追求する営業・技術のサポート力強化



(2) グローバルビジネスの拡大:各事業体の海外展開の促進

a) 東南アジアにおける防火システム事業の拡大

b) 産機事業の海外展開の加速

c) 中国、東南アジアにおけるセキュリティ事業の拡販

d) RFID特殊タグの海外市場への販売



グローバル事業の売上規模目標:合計4,800百万円→8,300百万円

(内訳)

アメリカ:産機事業160百万円→600百万円

中国:デバイス事業、リテールセキュリティ2,100百万円→2,600百万円

東南アジア:防火システム事業、セキュリティ事業2,600百万円→4,800百万円

北米・欧州:RFID特殊タグ10百万円→300百万円



(3) 新規ビジネスの創出

a) 新市場、新ソリューション開発によるRFID事業の拡大

b) 成長分野における新規事業の開発・拡大



(4) 中期経営計画の要約

中期経営計画を要約すると以下のようになる。既存商品を既存市場で伸ばすことで、+400百万円、既存商品を新規市場(主に海外)で伸ばすことで+3,500百万円、新規商品を既存市場へ投入することで+1,600百万円、合計+5,500百万円(2016年3月期比)の売上増を目指す。さらに、新規事業を育成していくことで+1,300百万円を目指す。計画期間の初年度実績、2年目見込は当初の計画値には達していないが、Guardfireを中心とした海外での防火システムや新規事業であるRFIDの販売などを強化し、最終年度での計画達成を図る。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)