■業績動向



1. 2017年3月期の業績概要

品川リフラクトリーズ<5351>の2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.0%増の103,722百万円、営業利益が同26.4%増の6,344百万円、経常利益が同28.6%増の6,365百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.8%増の3,602百万円であった。予想比では、売上高が2.2%増、営業利益が9.3%増、経常利益が9.7%増、当期純利益が12.6%と予想以上の好決算であった。営業利益と経常利益は、過去最高となった。



事業別の動向は、耐火物及び関連製品の売上高が前期比2.0%増の75,293百万円、営業利益が同21.8%増の5,663百万円であった。日本の粗鋼生産は、自動車を中心に国内需要が堅調に推移したため、同0.9%増の105百万トンと3年ぶりに増加した。製鋼用モールドパウダー及びセラミックファイバー製品の売上高が増加した。エンジニアリングは、コークス炉大型建設工事の計上等により、売上高が同20.3%増の26,108百万円、営業利益が同48.8%増の707百万円となった。不動産・レジャー等は、売上高が同1.1%減の2,320百万円、営業利益が同9.6%増の1,121百万円となった。



営業利益の増加(13億円)の要因は、販売価格低下と品種構成差等(-14億円)が減少要因であった一方、増加要因はコストダウン(+7億円)、拡販(+3億円)、為替影響(+6億円)、築炉・エンジニアリング(+2億円)、グループ会社寄与他が(+9億円)であった。



同社が株式の54.9%を所有するイソライト工業は、高付加価値製品の開発と製造コストの削減により、2017年3月期の営業利益が前期比26.5%増の2,130百万円となった。前期に73.7%の高い増益率を達成したことから、2017年3月期の期初予想では16.8%の減益を見込んでいた。



労働安全衛生法の改正により、2015年11月からリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)のうちアルミナとシリカを主成分とした非結晶(ガラス質)の人造鉱物繊維が有害物質として規制対象となった。代替製品となるイソウールBSSRは、セラミックファイバーの特性である高温に耐える、断熱性が高い、軽くて蓄熱性が低い、化学的に安定している、急熱・急冷に耐える、色々な形状に製造・加工できるなど特性を有する。生体溶解性繊維であるため、摂取されても体内で溶けて体外に排出される。RCFに対する競合商品が限定されるため、有害物質と認定された既存製品からの代替需要を獲得した。



2. 財務状況と経営指標

2017年3月期末の総資産は、106,507百万円と前期比2,809百万円増加した。受取手形及び売掛金と投資有価証券が増加した。負債は、長期借入金が増えたものの短期借入金や1年内償還予定の社債などが減少したため、1,244百万円減少した。有利子負債は前期比1,864百万円減少し、期末残高は18,516百万円であった。



財務の安全性を測る指標となる流動比率は、前期末の154.7%から175.7%へ上昇。自己資本比率は、前期末の42.6%から44.8%へ改善した。



収益性の総合指標であるROAは前期比1.5ポイント増の6.1%、ROEも同様に1.5ポイント増の7.8%へ上昇した。財務レバレッジが低下したものの、収益性の改善が大きく寄与した。財務体質の改善と収益性の向上を両立させた。



2017年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、13,627百万円と前期末比968百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローの入金が5,459百万円と大きく、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの出金を上回った。営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加がマイナス要因となったが、税金等調整前当期純利益と減価償却費の金額が大きかった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)