■事業概要



ワイヤレスゲート<9419>は複数の公衆無線LAN事業者や通信事業者の通信回線網を借り受け、最終ユーザーに多様な通信サービスを提供するMVNOの独立系大手となる。事業セグメントとしては、主力事業であるBtoCの事業となるワイヤレス・ブロードバンド事業、BtoB事業となるワイヤレス・ビジネスドメイン事業、その他(周辺商材の仕入販売)と3つの事業に区分している。2017年12月期第1四半期の事業別売上構成比で見ると、ワイヤレス・ブロードバンド事業が約96%、ワイヤレス・ビジネスドメイン事業が約4%、その他が残りわずかといった構成となっている。



1. ワイヤレス・ブロードバンド事業

ワイヤレス・ブロードバンド事業では、複数の公衆無線LAN事業者が保有する全国で約4万ヶ所以上のWi-Fiアクセスポイント(主要鉄道、空港、大手外食チェーン店等)を借り受けてサービス提供する公衆無線LANサービス「ワイヤレスゲートWi-Fi」のほか、Wi-FiサービスとNTTドコモ<9437>のLTEまたは3Gネットワーク回線の利用が可能な通信サービス「Wi-Fi+LTE SIMカード」、UQコミュニケーションズ(株)のモバイルインターネットサービス「WiMAX2+」と組み合わせた通信サービス「Wi-Fi+WiMAX2+」等を提供している。また、2016年3月よりFONのWi-Fiスポットも利用可能となるプレミアムWi-Fiサービスも新たに開始している。同サービスでは、Wi-Fiコミュニティサービスの世界最大手であるFONが世界に有する約2,000万ヶ所以上のWi-Fiスポットを利用できるサービスで、海外旅行や海外出張など行く機会が多い利用者だけでなく、国内にも約120万ヶ所以上のWi-Fiスポットを有しているため、国内においても利用可能エリアが大幅に拡大することになる。



売上高の内訳を見ると、9割超がモバイルインターネットサービス(Wi-Fiサービスと「WiMAX」や「LTE SIM」を組み合わせた通信サービス)で、残り1割弱が公衆無線LANサービス(Wi-Fiサービス)となる。また、「電話リモートサービス」や「スマート留守電」などのオプションサービスも売上高としてはわずかだが同事業セグメントに含まれている。なお、販売チャネルに関しては(株)ヨドバシカメラ経由が大半となっており、その他のチャネルとしては、携帯ショップのほかインターネット経由による直販などがある。



2. ワイヤレス・ビジネスドメイン事業

ワイヤレス・ビジネスドメイン事業は法人向けのサービスとなり、主には「Wi-Fiインフラ事業(インフラ構築サービス)」「IoTプラットフォーム事業」及び「法人向けSIMサービス」と、「認証プラットフォームサービス」がある。現在は「Wi-Fiインフラ事業」と「認証プラットフォームサービス」が売上高の中心となっているが、今後は「Wi-Fiインフラ事業」だけでなく、「IoTプラットフォーム事業」を強化していく方針となっている。現状はまだWi-Fiアクセスポイントの機器販売収入が大半のため、受注案件の売上計上時期によって売上変動が大きくなる傾向にある。今後、受注案件数が積み上がり売上規模の拡大とともに毎月のサービス保守料の構成が高まってくれば、変動幅も小さくなるものと予想される。認証プラットフォームサービスとは、ワイヤレス・ブロードバンド事業の基盤プラットフォームであるID・パスワードの認証プラットフォームを他の通信事業者へ提供するサービスのことで、同社では成長事業としては位置付けていない。



3. その他

ヨドバシカメラ店舗において通信サービスと親和性の高い周辺商材の販売を行っている。従来は「ガラポンTV」※が主力だったが、2017年1月より世界最小クラスの紛失防止IoTデバイス「MAMORIO」の販売を開始しており、売上規模としては小さいものの好調な売れ行きとなっている。



※ガラポンTV…ガラポン(株)が開発販売する8チャンネル分の すべてのテレビ番組(ワンセグ)を24時間×2週間(最大120日間)録画できる録画機器のことで、同社経由でヨドバシカメラにて販売。販売時に「Wi-Fi」の加入サービス申込みを同時に受付している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)