■会社概要



2. 事業の概要

城南進学研究社<4720>は乳幼児から社会人までを対象に様々な教育サービスを提供する総合教育企業だ。決算短信における情報開示上は、予備校部門(城南予備校の事業)、個別指導部門(城南コベッツの事業)、映像授業部門(河合塾マナビスの事業)、デジタル教材・児童教育部門(くぼたのうけんや幼児英語教育など)、スポーツ事業((株)久ヶ原スポーツクラブの事業)などに分けて売上高が開示されている。また、決算説明会資料においては、よりきめ細かい情報開示がされている。



収益の中心は「城南予備校」と個別指導教室の「城南コベッツ」だ。城南コベッツは、直営教室とFC教室を合わせて279教室を全国展開している(2017年3月末現在)。同社の立ち位置は、大学受験においては「早慶上理」及び「GMARCH」を目指す層を、小・中学生においては難関校受験ではなく、学校の授業の内容をしっかりと理解することを目指す層を、それぞれメインのターゲットとしている。



大学受験関連では、映像授業部門の存在も特徴的だ。同じ大学受験関連でも、予備校とは対照的に映像授業部門の生徒数・売上高は成長が続いている。生徒の個々のニーズに対応しやすい(生徒が自分のペースで学べる)点が好評の要因と考えられる。



単価が高いため売上構成比では、依然として大学受験関連の比率が全社の約70%を占めているが、小中学生向け個別指導や乳幼児向け教育サービスの売上げは着実な伸びが続いている。同社は少子化問題への対応として乳幼児期からの囲い込み戦略を早期から採用してきており、その効果が着実に出ている。とりわけ乳幼児向けでは、育脳教室の「くぼたのうけん」、英語教育のズー・フォニックス・アカデミー(子会社の(株)ジー・イー・エヌが運営)、幼児向け算数スクールの「スピカ」などを展開し、一定の認知度とブランドを確立している状況だ。



また同社は、従来から立川市で認証保育所「城南ルミナ保育園」を運営していたが、2017年5月に小規模認可保育所運営のJBSナーサリー(株)を子会社化した。これにより、保育施設数が一気に8ヶ所に増加した。保育所には教育の側面以外に子育て中の親に就業機会を提供するという社会的役割もある。保育事業と教育事業とから、どのようなシナジーを創出していくのかも注目ポイントだ。



今後注目したいのは、事業展開においてこれまでの“BtoC”から“BtoB”もしくは“BtoBtoC”へと活動領域を一段と拡大しつつある点だ。他の事業者が抱える問題点の解決につながる教育サービス(教育ソリューション)を提供することを新たな事業ドメインとして確立しようと取り組んでいる。これに伴い同社の位置付けも“総合教育企業”から“総合教育ソリューション企業”へと変貌しつつある。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)