■成長戦略と中期経営計画



1. 2014−2016中期経営計画の総括

城南進学研究社<4720>は2014年度(2015年3月期)から2016年度(2017年3月期)の3か年中期経営計画に取り組んできた。その取り組み課題としては、1)社会環境の変化に応じた成長戦略の推進、2)事業の再構築とシナジー効果の追求、3)顧客満足度(CS)の向上を軸としたブランドの構築、の3点を基本戦略とするものであった。



2014−2016中期経営計画の実績としては、初年度と2年目は売上高、営業利益ともに業績計画を超過達成した。最終年度の2017年3月期は売上高こそ超過達成したものの、利益面では未達となった。これは前述のように、収益の中核を担う予備校部門と個別指導部門の中の高校生部門において、生徒数減少で売上高が前期比減となったことが大きく響いている。売上高は乳幼児向け教育サービスや個別指導部門の小中学生部門の伸長でカバーできたが、顧客単価差による製品ミックスの悪化により利益が伸び悩んだ。また、前述のように計画外の新校開設による費用増加も利益を圧迫した。



弊社では、2014−2016中期経営計画については、非常に満足の行く結果を残したとポジティブに評価している。最終年度こそ利益は未達だったが、売上高において、大学受験生向けサービスの減収を乳幼児向けサービス等の増収で補って計画達成したということの意義は大きいと考えている。利益の未達は、乳幼児向けや中高生向け教育サービスの成長に伴い、時間が解決する問題だと弊社では考えている。



業績面での達成度以上に弊社が評価しているのは、“総合教育企業”を目指して、同社がM&Aや新規事業を着実に遂行してきている点だ。この中期経営計画期間中においては、(株)久ケ原スポーツクラブ、(株)リンゴ・エル・エル・シー、JBSナーサリー(株)の3社を子会社化した。いずれも同社の事業ドメインを拡大もしくは深耕する上で重要なピースと言える。同社ほどの規模の企業が継続的にM&Aを実行することは一般的には難しい。それが可能となっているのは、“城南進研”のブランド力に加え、同社の経営哲学や子会社統治に対する一貫した姿勢が業界内で認知・評価され、M&Aに関する良い情報が集まってくる状況が出来上がっているためと弊社ではみている。



前述した業績計画の達成度と合わせて、同社は2014−2016中期経営計画において、“総合教育企業”としての基盤を確立した、というのが弊社の評価だ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)