■業績動向



1. 2017年3月期の業績概要

5月11日付で発表されたCDG<2487>の2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.1%増の11,251百万円、営業利益が同2.9%減の672百万円、経常利益が同1.6%増の685百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.9%増の482百万円となり、営業利益を除いて2期ぶりの増収増益決算となり、会社計画に対していずれも上回って着地した。



国内景気が緩やかに回復基調を続けるなかで、自動車やアパレル、不動産業界を中心に主要顧客からの受注が好調に推移したことが増収要因となった。また、受注案件ごとの採算管理を徹底したことで、売上総利益率が前期比0.7ポイント上昇した。受注前段階からサプライヤーとの値決め交渉や調達ルートの手配を行う(可能なものは直接調達を行う)などの取り組みを進めたことが、利益率の改善につながった。



営業利益が若干の減益となったが、これは東京本社の増床による賃借料の増加(前期比150百万円増)や東証第1部への市場変更に伴う関連費用(30〜40百万円)の計上などにより、販管費が前期比12.4%増加したことによる。経常利益については、前期に計上した営業投資有価証券評価損22百万円がなくなったこと等により増益に転じ、当期純利益は実効税率の低下によって2ケタ増益となった。



2. 販売先業種別売上動向

主要業種別の売上動向を見ると、11業種中7業種で増収となった。このうち最も構成比の高い自動車業界向けに関しては、主力顧客である大手自動車メーカーとプロモーショングッズ制作に関する1次請け事業者としての業務委託契約を締結し、同社が一括してプロモーショングッズの調達販売を担うようになったほか、地域主導案件についての受注も取り込めたことで、前期比34.8%増の1,631百万円と大幅に伸長した。



また、ファッション・アクセサリー業界向けでは、ユニクロが年2回実施している大型キャンペーンで使用するプロモーショングッズを連続で受注できたことや、海外でのキャンペーン用グッズの受注も獲得できたことなどで、同89.3%増の767百万円と急成長した。プロモーショングッズはステンレス製ボトルやトートバッグ等だが、同社のデザイン性や品質管理体制、海外も含めた調達ネットワーク力などが評価されたようだ。不動産・住宅業界向けについても同33.0%増の812百万円と好調に推移した。大東建託<1878>の周年記念用のグッズを受注できたほか、リアルとデジタルを融合したプロモーション戦略等による受注増加が増収要因となった。その他、流通・小売業界向けが同11.0%増の1,163百万円、外食・サービス業界向けが同27.1%増の450百万円、食品業界向けが同23.3%増の346百万円とそれぞれ2ケタ伸長となった。



一方、減収となった業界としては薬品・医療用品業界向けで同6.8%減の1,272百万円、情報通信業界向けで同7.0%減の965百万円、化粧品・トイレタリー業界向けで同14.6%減の738百万円、飲料・嗜好品業界向けで同16.1%減の654百万円となった。このうち、薬品・医療用品業界向けに関しては製薬協が2015年7月に発表した指針により、医薬品の販促施策としてプロモーショングッズ※1の利用ができなくなったことが減収要因となったが、リパック業務※2などは増加しており、当期が売上げの底になると見られる。また、情報通信業界向けに関しては、携帯電話大手3社が揃って販促費用を削減した影響で減収となったが、UQモバイルやYahooモバイル等の格安スマートフォン事業者からの受注は増加した。化粧品や飲料品業界向けに関しては受注競争が激しい業界であり、当期は受注件数の減少により減収となっている。



※1 医薬品の販促施策として、ペンやノート等に医薬品名を記載して配布してきたが、これが禁止された。

※2 栄養ドリンク等の販促手法で複数本のパッケージ販売の際に1本追加でパッケージングするサービス。





3. 子会社の動向

子会社3社の業績はいずれも増収増益となった。米国子会社については現地日系企業向け(食品・飲料メーカー等)にノベルティグッズの受注が増加し、売上高が前期の約1億円から約2億円に拡大した。米国ではノベルティグッズを提供する競合他社がないため、同社に受注が集まっていると見られる。また、ゴールドボンドは地方の中小企業に対するASEANへの進出支援サービスが伸びており、売上高は約3億円と堅調に推移した。ポケットティッシュの製造販売を行う岐阜クリエートについては、Webなども活用して自社で顧客開拓に注力しており、実績も着々と積み上がってきているようで、売上規模としては約6億円となっている。



2017年3月期の営業利益は連結ベースで672百万円、単独ベースで598百万円となっており、子会社の利益水準は合計でも1億円弱と規模的には小さいものの、今後も各子会社で収益を拡大していく方針となっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)