■再生可能エネルギー発電の現状と見通し



1. 日本のエネルギー事情

日本では、2014年度における発電電力量の87.8%を化石燃料に依存している。これに対して、再生可能エネルギーの割合(水力を除く)は3.2%に過ぎず、欧米主要国と比べて最も低い数値である。また、化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っていることから、2012年度における一次エネルギー(石炭や石油、天然ガス、水力など、自然にあるままの形状で得られるエネルギーのことで、ガソリンや電気など使いやすく加工された二次エネルギーと区別する)の自給率(推計値)は6.0%と低い水準にとどまっており、OECD加盟34ヶ国中2番目に低い水準である。



2. 再生可能エネルギーの可能性

2015年7月16日、経済産業省は、2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」を踏まえ、実現可能な将来のエネルギー需給構造のあるべき姿として「長期エネルギー需給見通し」(エネルギーミックス)を策定した。エネルギーミックスは、再生可能エネルギーを重要な低炭素の国産エネルギー源と位置付けた上で最大限の導入拡大を掲げ、2030年度における電源構成において再生可能エネルギーが22%から24%程度(水力を含む)を占めることを見込んでいる。そのうち、太陽光と風力の電源構成比の見込値は、それぞれ7.0%、1.7%とされており、2015年9月現在の導入量(運転開始済の設備容量)に比べると、太陽光で約2.2倍、風力で約3.4倍まで拡大することになる。



3. 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の概要と制度改正

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(以下「FIT制度」)とは、再生可能エネルギーの普及を図るため、一定の電気事業者(企業や家庭などに電力供給を行う電力会社)に対して、認定を受けた再生可能エネルギー発電設備を用いて発電された再生可能エネルギー電気を固定の調達価格で、20年間を通じて買い取ることを義務付ける制度である。これにより、発電事業者は安定的かつ継続的な売電収入を見込むことができ、再生可能エネルギー発電設備の高い建設コストの回収見通しが立ちやすくなったとされる。



しかし、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担抑制の両立を図るため、2017年4月1日よりFIT制度が改正された。第1に、新認定制度が創設され、事業計画について実施可能性や内容等を確認し、適切な事業実施が見込まれる場合に経済産業大臣が認定を行うことになった。第2に、調達価格の決定方法の見直しにより、入札を実施して調達価格を決定する仕組みが導入された。この改正により、電気事業者の電力固定買取価格は認可年度ごとに低下する傾向にあるが、結果的に再生可能エネルギー発電事業において健全な競争原理が働くことで、事業運営の効率化並びに精緻な事業計画の策定及び遂行が可能な優良な発電事業者の選別が始まると見込まれる。



スポンサーであるリニューアブル・ジャパンは、再生可能エネルギー発電設備に関する終始一貫した事業体制を有しており、EPC事業(再生可能エネルギー発電設備の設計(Engineering)、工事部材の調達(Procurement)及び再生可能エネルギー発電設備の建設(Construction)を行う事業)の内製化により、開発コストの低減や工期の短縮を実現できる体制等に加えて、事業運営の効率化並びに精緻な事業計画の策定及び遂行を行う能力を有していることから、FIT制度の改正後においても継続して新規の再生可能エネルギー発電設備の開発を進めることが可能であると見られる。特に、日本再生可能エネルギーインフラ投資法人<9283>では設備認定取得済(買取価格決定済)で未着工・未稼働の太陽光発電設備が大半を占めていることから、将来の電力買取価格低下の影響を受けないことはスポンサーとしての大きな強みだろう。また同投資法人は、同スポンサーが開発中の太陽光発電所を優先的に買い取る権利を有している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)