■中長期の成長戦略



ジェネレーション・パス<3195>は、今後の展望として、「『メタECカンパニー』に向けて、3軸で成長」というスローガンを掲げている。2017年10月期の重点施策としているが、2020年10月期までの中長期経営計画とみてよいだろう。



「メタECカンパニー」とはつまり、国内ECを主軸としながらも、ECに関連して海外展開・自社商品開発・そして非物販事業(データ・メディア)などへ、多面的な拡大を行う、という姿である。数値目標として、2020年10月期に連結売上高500億円を掲げている。目標達成のために積極的なM&A投資は欠かせないと思われる。対象領域については、基本的には既存事業とのシナジーが発揮できる領域での投資を優先しつつ、取扱商品範囲の拡大に伴い、あらゆる領域を検討するとしている。具体的には、インターネット関連でポイント・決済業務やシステム・Web制作会社、さらに取扱商材の範囲が拡大していけば、関係する商材メーカー、貿易会社など、サプライチェーン上の上流から下流まで広範囲に対象とすることが考えられる。また、M&A投資規模としては2017年10月期で30億円、中長期的には100億円を想定しているとのことだが、資金的な問題が解決できればさらに上積みも考えられる。



また、人材の確保も同社の成長のための大きな要素となっている。取扱商材の分野や絶対数、パートナーやチャネルの増加に伴い、窓口として価格交渉などを行うバイヤー要員が不足してきており、今後毎年15〜20人の新規採用(中途採用含む)が必要になるとしている。中期経営計画の目標達成のためには後述の諸施策の進捗は勿論だが、M&Aと人材の確保が重要なカギとなるだろう。



EC事業については、市場規模も事業者数も増加傾向にあるが、既に過当競争の時代に入ってきているとも言われている。また、消費者保護の観点から事業者への規制等も厳しくなってきており、中小の事業者にとっては厳しい環境下にあり、一部の優良EC事業者への寡占化が今後進む可能性がある。同社では、この事業環境は同社にとっては追い風であり、顧客目線による事業拡大を加速させることができるとしている。中長期経営計画の目標達成についても期待がかかる。



1. 第1軸:地理的展開(中国・そしてアジアへ)

当面は中国越境EC事業に注力・推進する。現在の上海市政府運営の「KJT」、北京MNCの「洋桃派」に加え、中国最大のECモールTaobaoにも出店し、マルチチャネル展開を加速させている。さらにASEAN地域への展開を図るとしている。具体的には、ベトナムを始め、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールなどである。ここでは、既に資本提携しているCharoen Pokphand(チャロン・ポカパン) グループの東アジア地域でのネットワーク力を生かして、現地での体制構築や関係先の情報紹介の機能を期待している。中期経営計画の連結売上高500億円を達成するためには、海外EC事業を年商100億円規模に拡大するという想定をしており、今後最も注力する施策と言えるだろう。



2. 第2軸:バーチカル展開(商品開発・ブランド開発)

現在の小売業という枠を超えて、「自社の商品開発・ブランド開発を展開」するとしている。



商品企画関連事業としては、現在強みとしている家具・ファブリックに加えて、寝具などその他の商材に拡大する。また、取引社数・提携工場の拡大、取扱商品種類の拡充を図る。



自社ブランド開発については、まず家電領域でメーカーとの共同開発となる自社ブランド「Simplus」※を2017年1月に販売開始し、現在月商2,000万円規模に成長している。



※シンプル(Simple)だが、一味違う個性(Plus)を表現した製品を提供するブランド。第1弾として、ハイビジョン液晶テレビと1ドア冷蔵庫の販売を開始した。





なお、自社商品開発・ブランド開発に当たっては、基本的には既存のパートナーとの共同開発や既存取扱商品のノウハウが活用できるものを中心にするとのことである。



3. 第3軸:水平展開(データ事業・メディア事業)

従来のEC事業の取扱商品に関わらない、同社が長年社内用に蓄積してきたコアのノウハウとも言える売れ筋情報・評価情報などのビッグデータをビジネス化するものである。現在は、マーケティング情報分析システム(MIS)を活用して、コンシューマ向け及び企業向けの両面での収益事業化を検討中とのことである。具体的には、2015年11月より開始した中国越境EC事業において、中国企業向けの販売を開始しており、さらにコンシューマ向けメディア事業等への展開も進めている。一般的なEC事業のところでは、まず取扱商品を増やして売上規模を拡大することが第1目標であるが、将来的には同社が強みとするマーケティングのノウハウ自体を事業化することで収益性の向上につなげることができるだろう。既に事業化のテストは進んでおり、早ければ年度内に詳細が公表されるもようである。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)