■今後の見通し



2. 事業セグメント別見通し

(1) オフィス事業

今期のオフィス事業については、増収増益に転じることが予想される。首都圏におけるオフィスビルの新築供給が2019年度のピークに向けて増加することに伴い、オフィス移転の需要も回復が見込まれるためだ。特に、ここ最近では通常のオフィス移転だけではなく、「働き方改革」の支援(コンサルティング)を含めたオフィス移転の「構想段階」からの引き合いが増加しているため、付加価値の向上も含めて収益の拡大が続くと予想される。



(2) CM事業

CM事業では、CMの認知度向上に伴い民間、公共分野含めて幅広い業界からの新規大型案件の受注が増加しており、2018年3月期も着実な収益拡大が見込まれる。



特に、地方公共団体でもCMの導入機運が高まっており、問い合わせ件数も前年から比べて大きく増加している。庁舎の改築や新築プロジェクト、あるいは公共施設の老朽化に伴う施設の改修や新築、他用途への転用といった需要が増加するなかで、発注者側でも適正なコストを積算し、プロジェクト管理ができるCM事業者の重要性の認知が広がってきたことが背景にある。特に、明豊ファシリティワークス<1717>が2014年に受注した千葉県市原市の防災庁舎建設プロジェクトでは、当初入札予定価格に対して約1割下回る価格で落札され、CMを導入する際の成功例として国交省でも紹介されるなど、「明豊のCM」のブランド力並びに認知度向上に大きく寄与した。また、2014年以降3年連続で国交省が推進する「多様な入札契約方式モデル事業」を受注し、ブランド力も年々高まってきたと言える。



足元では公共分野向けのプロジェクト提案件数で前年比2倍以上と大きく増加している。新規参入事業者も増加しているため、すべてを受注できるわけではないが、2018年3月期以降の公共分野向けの受注件数は着実に増加していくものと予想される。今期は既に中野区新区役所建設支援アドバイザリーや、熊本県宇土市新庁舎建設基本計画策定及び設計者選定支援業務をはじめ確実に受注を確保している。また、新規参入事業者の参入が想定されるが、同社では「フェアネス」と「透明性」を企業理念としてプロジェクトのすべてをデジタルな働き方の中で可視化するなど、高い競争優位性を有している。



なお、民間企業向けでは今期も新工場建設プロジェクトで4件の大型プロジェクトが進んでいるほか、大手航空会社の世界最新鋭の設備を有する「総合トレーニングセンター(仮称)(59,000平方メートル)の基本構想段階から支援するなど、大型案件について受注を積み重ねており、今後も着実な成長が見込まれている。また、同社は外資系企業からの評価が高いことも特徴の1つとなっている。「レゴランドジャパン」だけでなく、大手製薬企業やエレクトロニクス企業などの案件を手掛けている。



(3) CREM事業

CREM事業では、大企業や金融機関など主力顧客5社程度で売上高の70%超を占めており、2018年3月期も各顧客の経営マターとなるような重要なリピート案件を中心に堅調な業績が見込まれる。また、今後は地方銀行の経営統合に伴い、保有資産の最適化に向けた事業拠点の見直しや改修ニーズが増えてくると予想されるため、今後も着実な収益拡大が見込まれる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)