■明光ネットワークジャパン<4668>の業績動向



2.事業セグメント別動向

(1)明光義塾直営事業

明光義塾直営事業の売上高は前年同期比3.5%減の6,846百万円、セグメント利益は同6.3%増の586百万円となった。このうち、同社直営事業の売上高は前年同期比2.9%減の4,794百万円、営業利益は同0.6%増の629百万円となり、子会社の株式会社MAXISエデュケーション(以下、MAXIS)の売上高は同4.6%減の2,052百万円、営業利益は同91.2%増の65百万円となった(のれん償却費は107百万円)。



「振り返り事業」や「明光eポ」の本格的な稼働に向けた実証実験を第3四半期に実施し、そのための研修期間に時間を要したことで生徒募集活動が十分に行えず、2017年8月期第3四半期末の生徒数は同社直営教室が前年同期比3.7%減、MAXISが同4.1%減とそれぞれ低調に推移した。2017年5月末時点の教室数(MAXIS含む)はFCオーナーからの譲受もあって、前年同期比5教室増加の328教室となっており、1教室当たり平均生徒数についても若干減少している。生徒数の減少によって売上高は減収となったものの、利益面では同社直営事業、MAXISともに労務管理問題への対応に関連した人件費や諸経費が減少したことが増益要因となっている。



(2)明光義塾フランチャイズ事業

明光義塾フランチャイズ事業の売上高は前年同期比0.7%増の4,062百万円、セグメント利益は同32.6%増の1,873百万円となった。2017年5月末の教室数は前年同期比1.8%減の1,747教室(MAXIS、直営教室除く)、生徒数は同3.4%減の88,838名となった。不採算教室の閉鎖を含むスクラップ&ビルドを進めるなかで、教室数並びに生徒数の減少が続き、ロイヤルティ売上高は減収となったものの、FCオーナーからの広告収入増を主因として増収となった。前年同期はFC本部で生徒募集のための追加的な販促費用を負担していたが、2017年8月期は通常体制(FCオーナーが販促費を負担=広告収入増)に戻したことが増収増益要因となっている。



FC教室についても1教室当たり平均生徒数の減少傾向は続いているものの、当第3四半期末は前年同期比で1.7%減と第2四半期末の2.5%減から縮小している。FCオーナー間での成功事例の共有や、FC教室と直営教室との合同会議を実施するなど地域ごとに情報共有を綿密に行ってきた効果が徐々に出ているものと考えられる。



(3)予備校事業

連結子会社の株式会社東京医進学院による予備校事業は、売上高が前年同期比11.8%減の418百万円、セグメント利益が同28.2%減の42百万円となった。医科系大学については現役合格志向が高まっており、今春は既卒コースの新規入学者数が低調に推移したことが響いた。5月末の生徒数は前年同期比24.6%減の104名となっており、第4四半期も低調な推移が予想される。



(4)その他事業

その他事業の売上高は前年同期比83.3%増の2,702百万円、セグメント利益は152百万円(前年同期は142百万円の損失)となった。増収増益要因の大半は新規連結した国際人材開発、古藤事務所の寄与によるものとなっている。また、早稲田アカデミー個別進学館やキッズ事業の売上高も順調に拡大しており、損失額が縮小している。



主力事業の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館の売上高は前年同期比14.8%増の350百万円、営業損失は14百万円(前年同期は66百万円の損失)となった。2017年5月末の校舎数は前年同期比で2校増(同社直営1校減、MAXIS 1校増、早稲田アカデミー直営1校増、FC1校増)の32校(同社直営6校、MAXIS直営5校、早稲田アカデミー直営11校、FC10校)となり、在籍生徒数は全校舎で同11.5%増の2,051名となった。1教室当たり平均生徒数についても前年同期の61.3名から64.1名と順調に増加している。2017年春の大学合格者実績数においてGMARCH※以上で多くの合格実績を出したほか、中学・高校受験でも難関校での合格者実績が増えるなど、難関校受験対策向け個別指導学習塾としての認知度が向上してきたことが要因と見られる。



※学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政大学の頭文字を取ったもの。





明光サッカー事業の売上高は前年同期比2.8%増の111百万円、営業損失は4百万円(前年同期は5百万円の損失)となった。2017年5月末のスクール数は前年同期比2校減の14校(うちFC1校)、生徒数は同19名減の965名となった。直営スクール2校を近隣スクールに整理統合したことで収益の改善を図っている。2017年8月期第3四半期だけで見ると若干ながら5四半期ぶりに黒字化を実現している。当面は既存校の収益力強化を最優先課題としており、コーチ・スタッフの研修強化や運営体制の見直し等による指導力の向上と、スクール生への定期的なカウンセリング実施等によって顧客満足度の向上を図りながら生徒数を拡大し、安定した利益体質を構築していくことを目指している。



キッズ事業については、学童保育の需要が旺盛ななかで直営スクール、運営受託ともに順調に拡大し、売上高で前年同期比2ケタ増収、営業損失も縮小傾向が続いている。2017年5月末のスクール数は15スクール(直営7スクール、運営受託等8施設)、在籍スクール生は846名(前年同期は518名)となった。2017年8月期第2四半期より新たに東京都練馬区の民間学童保育事業の運営受託を開始しており、若干ながら収益に貢献している。習い事プログラムの受講促進と運営オペレーションの効率化、スクールスタッフの研修強化等に取り組んだほか、サマーキャンプや社会見学等のイベント企画なども行い、スクール生の満足度向上に取り組んだことが生徒数の増加につながっている。利益面では直営7スクールのうち、開校して間もないスクールが過半を占めるため損失が続いているものの、1校目が既に黒字化しており、2014年に開校した2校も生徒数の増加に伴い黒字が見込める水準までなってきている。なお、運営受託に関してはバディスポーツ幼児園の4スクールで学習プログラムを提供しているほか、幼稚園の課外授業や私立小学校のアフタースクールの運営受託などを行っており、今後もニーズに合わせたサービスを提供していく方針となっている。



外国人向け日本語学校は連結子会社の株式会社早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」(1校)と、前第4四半期より連結子会社化した国際人材開発が運営する「JCLI日本語学校」(3校)がある。ここ数年、中国や東南アジア等からの留学生が増加しており、需要は旺盛で生徒数の拡大傾向が続いている。「早稲田EDU日本語学校」の5月末の在籍生徒数は前年同期比42.2%増の519名(定員数600名)となり、売上高は2億円強、営業利益も数千万円と前年同期比で2ケタ増収増益になったと見られる。一方、「JCLI日本語学校」については、5月末の生徒数が937名(定員1,380名)と堅調に推移した。売上高は5億円強、営業利益は数千万円になったと見られ、その他事業の収益増に寄与している。



連結子会社の古藤事務所については第2四半期までに年間売上高の大半を稼ぎ出す季節性の高い事業を展開しており、第3四半期累計での売上高は約4億円になったと見られる。主軸の大学入試問題ソリューション業務において、新規受注案件を獲得するなど順調に推移した。2020年の大学入試制度改革に向けて、今後もビジネスチャンスが拡大していくものと予想される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)