■要約



じげん<3679>は、生活機会(より良く生きるための選択肢)の最大化をミッションとし、人々の生活に関わる特定領域における複数のインターネットメディアを横断的に検索できるアグリゲーションサイト(EXサイト※)を運営する人材、不動産、自動車、生活領域のライフメディアプラットフォーム事業を展開する。大量のデータベースを生かしたプラットフォーム構築力、拡張性と収益性の高いビジネスモデルと新規事業開発力、及びM&Aによる事業拡張力、という同社の強みを生かした事業展開により高い成長を着実に遂げてきた。



※アグリゲーションとは複数の企業が提供するサービスやインターネット上の分散している情報を集積し、1つのサービスとして利用できるようにしたサービス形態。同社ではそのサイトを「EXサイト」と呼んでいる。





5月12日に発表された2017年3月期連結業績は、売上高が前期比50.2%増の7,556百万円、営業利益は同41.4%増の2,276百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同42.8%増の1,284百万円と、創業来10期連続の増収・増益となった。前期に買収した(株)三光アドがプラス寄与したほか、顧客基盤拡大や単価上昇などにより人材領域の売上高、顧客数が拡大したことや、コンバージョンレートの改善、顧客数増加により不動産領域も好調に推移したことが主要因。



同社は2017年3月期有価証券報告書から国際財務報告基準(IFRS)を導入。より厳密な投資効果測定、海外事業への展開等を目的としている。したがって、2018年3月期の対前期増減率は参考とならないが、2018年3月期は、売上高が10,500百万円、営業利益は3,220百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,930百万円を予想している。領域別では、前期と同様に、人材と不動産の2領域での事業拡大に注力することにより、創業来11期連続の増収・増益を目指す計画となっている。



同社は2017年3月期決算発表と同時に中期経営計画を上方修正した。連結営業利益は2020年3月期で51億円以上を目指す。ただこの数値には、今後のM&Aや新規事業からの貢献は織り込んでいない。この計画において、高収益・高効率体質を維持しながら、収益逓増型のビジネスモデルを生かした継続的に高い利益成長を遂げるとしている。計画期間中、各事業年度でトリプル25(営業利益率25%以上、営業利益年率成長率25%以上、ROE25%以上)を達成することにより、2020年3月期に売上収益166億円以上、営業利益51億円以上の達成と、その間に東京証券取引所1部への市場替えを目指すとしている。



同社がなぜ中期経営計画を上昇修正したのかというと、1)既存事業の好調や三光アドのM&Aを反映させる、2)IFRSを導入することによって、のれんや無形資産を対象としたより厳密な効果測定によるM&Aの投資リターンを改善することができる、3)同社のビジネスモデルは再現性があり、今回の中期経営計画の業績の上方修正もきちんと達成できるという同社マネジメントの自信の表れ※を投資家にアピールするのが狙いと考えられる。



※同社は、2013年11月の上場以来、4期連続して予算(会社計画)を達成した実績がある。





株主に対する利益還元については、同社は成長過程にあるため、配当による利益還元よりも、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資に充当することの方が、株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため、創業以来配当は実施しておらず、今後においても、経営体質強化、事業拡大のための内部留保を確保することを基本方針としている。



■CheckPoint

・2017年3月期も売上高、各利益ともに過去最高を記録

・2018年3月期は既存事業で効果的・効率的な顧客基盤拡大策を実施、さらに、創業来11期連続の増収・増益を目指す

・IFRSを導入し、2020年3月期には営業利益51億円以上の達成を目標として掲げる



(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)