■分譲開発事業



1. 事業概要

首都圏エリアを中心にプロパスト<3236>の企画力・デザイン力を生かした分譲マンションを開発し、DINKSやファミリーを対象とした魅力あるマンションを販売する。分譲開発事業は、期間1〜2年程度の長期プロジェクトである。企画やデザインについては、当該物件の土地の特性や地域性及び周辺環境とのバランスを考慮して、プロジェクトごとに独立したコンセプトによる空間デザインを創り出す。このため、ネーミングに関しても、それぞれのコンセプトに相応しい個別の名付けが行われる。また、この事業には専有卸のスキームで引き受けた上で、実需に基づいて分譲販売するケースも含まれる。その場合の期間は1年程度である。なお、ローンが付きやすいため、RC造(鉄筋コンクリート造)を多く手掛ける。最近では1戸当たりの広さ50〜60平方メートル、販売価格は70〜80百万円のマンションが中心である。



分譲開発事業の2017年5月期売上高は前期比0.3%増であったが、営業利益が同50.3%増となったことから、営業利益率は前期の11.2%から16.8%に上昇している。この結果、売上高では会社全体の38.7%であるが、営業利益では45.3%を占めている。2017年3月竣工のヴァントヌーベル代々木の利益率が高かったことが好決算の主因である。



2. 強み

同社の強みの1つは、デザイン性の良さにある。特に、都会で生活を送る大人向けのマンションと位置付けられているようで、パンフレットからは間接照明がくつろぎを誘うような雰囲気を感じる。同社のデザインは自社内の設計部が行っており、これも強みにつながっているようだ。また、同社は土地の仕入力、企画力、販売力などにも自信を持っている。



最近の作品では、ヴァントヌーベル代々木(東京都渋谷区千駄ヶ谷、2017年3月竣工、47戸+店舗)では、1階に駐輪場スペースを十分に取れないという逆境を逆手にとって、自転車置き場を「CYCLE GARAGE」として、各階に設定している。また、バンデルーチェ北斎通り(東京都墨田区亀沢、2017年6月竣工、28戸+店舗)では、江戸時代に基盤の目が敷かれた錦糸町駅と両国駅の中間の地ということから、スクエアをコンセプトに縦横の直線を強調した外観にした。



3. リスクマネジメント

土地や建設費の高騰もあり、無理に案件を取っていく訳ではないというスタンスだ。現在は事業部を3体制にし、現場の増強を行っている。



不動産業で最も大きな影響を与え得る要因は、市況価格の変動だろう。リーマンショック後の完成物件の下落率は5〜10%にとどまった一方、実際に下落幅で影響が大きかったのは、土地及び仕掛物件で下落幅は30〜40%に及んだ。現在、同社は仕入れたら半年後には販売しているため、リスクは低く抑制できていると言える。また、10〜15%程度の市況下落でも損は出ない仕組みを構築できたようだ。



逆にここ2〜3年では首都圏のマンション価格は上昇傾向にあり、それに伴い契約率は低下、販売戸数も減少している。そうした環境下でも、同社の強みである「仕入力」、「企画力」、「デザイン力」などを生かして、事業環境の悪化に対応すると見られる。



4. 実績例

この事業のその他の実績例として、グランデバンセ 御殿山 ザ・レジデンス(東京都品川区北品川)、ベグレッタ トーレ(東京都葛飾区新小岩)、レゾン・フォルテ(埼玉県川口市南鳩ヶ谷)、レジデンシア新横浜(神奈川県横浜市港北区)、LUXIO日本橋蛎殻町(東京都中央区日本橋蛎殻町)などがある。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)