■決算概要



東京センチュリー<8439>の2017年3月期の業績は、売上高が前期比3.8%増の9,761億円、営業利益が同9.2%増の720億円、経常利益が同8.1%増の735億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.0%増の437億円と期初予想を上回る増収増益となり、経常利益は同社発足以来8期連続で過去最高益を更新した。営業資産残高も前期末比7.5%増の3兆2,160億円と順調に拡大している。



CSIリーシングの連結化により国際事業分野の営業資産残高が大きく伸びたことに加え、注力するスペシャルティ事業分野(航空機ビジネス・太陽光発電)及び国内オート事業分野の拡大が増収に寄与した。一方、国内リース事業分野の営業資産残高は、採算性重視により若干減少したものの、おおむね想定の範囲内である。



財政状態については、営業資産残高の積み上げなどにより、有利子負債は前期末比7.1%増の2兆7,330億円、総資産は同7.9%増の3兆5,799億円に増加した。純資産も内部留保の積み増しにより同8.0%増の4,048億円となり、この結果、自己資本比率は9.9%(前期末は9.6%)に改善した。



一方、資産効率を示すROA(総資産経常利益率)は2.1%(前期も2.1%)、ROE(自己資本当期純利益率)も12.9%(同13.1%)とほぼ横ばいで推移した。



各事業分野別の業績は以下のとおりである。



1. 国内リース事業分野

営業資産残高は前期末比2.8%減の1兆4,506億円となった。厳しい事業環境が続くなかで、採算性重視により営業資産残高はわずかに減少したが、情報通信機器を中心として、顧客ニーズへの対応力を生かした差別化戦略等により、新規契約のスプレッドは大きく改善※1した。また、川崎重工業<7012>との提携によるロボットレンタル事業※2や、IHI等とのバイオマス発電事業※3など、優良パートナーとの共同事業化にも取り組んだ。



※1 2014年3月期を100とした指数比較によると2016年3月期の125から2017年3月期は165に大きく改善。

※2 川崎重工業と共同で、作業用ロボット派遣(レンタル)事業を展開。人手不足に悩む企業向けにサービスを開始。

※3 鹿児島県鹿児島市のIHI保有地を賃借し、木質バイオマス発電事業会社を設立(出資比率25.1%)。





2. スペシャルティ事業分野

営業資産残高は前期末比5.7%増の8,841億円と順調に拡大した。注力する「航空機ビジネス」や「環境・エネルギー」が順調に拡大した。特に、航空機リース事業は、2014年10月以降、航空機33機、1,700億円超の投資を実行するとともに、専門性のある人材の育成やノウハウの蓄積、業界プレゼンスの向上等に貢献してきた。今後もさらに成長を加速する方針である。



また、「環境・エネルギー」についても、京セラとの合弁事業による太陽光発電事業が順調に伸びている。営業資産残高は241億円(前期末比1.3%増)と微増にとどまったものの、稼働済み太陽光発電所数は52ヶ所(前期末は40ヶ所)、出力数は101.1MW(前期末は80.7MW)に拡大しており、売上収益※も19.7億円(前期比169.9%増)と業績貢献が大きくなってきた。



※売上収益=資金原価控除前の売上総利益。





3. 国内オート事業分野

営業資産残高は前期末比11.9%増の4,583億円、車両管理台数(総数)も約60万台(前期末比3万台増)にまで増加してきた。日本カーソリューションズの営業資産残高は前期末比6.5%増の3,116億円、オリコオートリースは同27.4%増の1,224億円、ニッポンレンタカーサービスは同7.8%増の305億円とそれぞれが伸長した。特に、成長余地の大きい個人向けオートリース(オリコオートリース)の伸び率が、ここ数年、高い水準で推移しているところは注目すべき点である。



4. 国際事業分野

営業資産残高は前期末比67.4%増の4,230億円と、USAはCSIリーシングの連結化(営業資産残高で1,591億円の上乗せ要因)により大きく拡大した。また、東アジア・アセアンについても、為替の影響が若干マイナスに働いたものの、現地有力企業とのアライアンス戦略による非日系ビジネスの推進等により堅調に推移している。これらの結果、グローバル資産残高(船舶・航空機等のスペシャルティ事業分野を含む)は9,427億円(前期末比18.6%増)にまで拡大し、全体の29.1%を占めるなど、海外ビジネスの比重が高まっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)