■要約



フォーバル<8275>は、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングと、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングを主に行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換。このビジネスモデルの転換が成功、2017年3月期まで営業利益は9期連続の増益を達成している。情報化や経営改善、海外進出など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。



1. 事業概要

同社は、情報分野のコンサルティングを主としたアイコンサービスを2008年に導入した。現在のアイコンサービスは、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使用した遠隔サポートなどの基本セットと各種メニューを取りそろえ、充実した内容に進化した。なかでも経営のよろず相談サービスの満足度は88.1%までに達し、顧客企業からの高い支持が見て取れる。近年では、既存の情報通信分野と海外分野だけでなく、新規で環境分野と人材・教育分野にまで拡大し、より幅広いサービスを提供するために次世代経営コンサルティングを開始し、経営のプロによるコンサルティングを強化する。全国の小規模事業者(約320万社)の7割が赤字経営ということを考慮すると、同社サービスの拡大余地は大きいと考えられる。



2. 業績動向

2018年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.5%減の12,149百万円、営業利益が同37.0%減の411百万円、経常利益が同29.1%減の420百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同31.1%減の211百万円と、売上高はほぼ横ばいながら減益となった。売上高に関しては、総合環境コンサルティングビジネスグループの減収が大きかったが、フォーバルビジネスグループを始めとする他事業の増収で補った。総合環境コンサルティングビジネスグループの減収の要因は、再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)改正の影響で行政の認定手続きが遅れたことが要因。営業利益に関しては、主力のフォーバルビジネスグループでの人員の増強、フォーバルテレコムビジネスグループでの前期の特需からの反動減の影響が大きい。前期に大幅に減速したモバイルショップビジネスグループでは、台数ベースでは前年同期を上回るまでに回復しており、業績は底を打ったと考えられる。



2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増の52,000百万円、営業利益が同10.0%増の2,800百万円、経常利益が同7.0%増の2,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.0%増の1,700百万円と増収及び10期連続の営業・経常増益を予想しており、期初の予想から変更はない。



3. 成長戦略

同社は、中小企業の事業承継の課題を専門的に解決する専門部隊を設け、サービスをスタートさせた。中小企業経営者の高齢化が進むなか、60歳以上の中小企業経営者の約3割の後継者が決まっていないという実態があり、後継者の発掘や育成を始めとする事業承継は大きなテーマとなっている。親族や従業員に承継者がいない場合には事業の譲渡も選択肢となり、その場合には同社はM&A仲介サービス(売却先探索、事業売買実務など)を提供することになる。引き合いは同社Webサイト、関連団体、同社グループの別部門での顧客接点などから獲得する。既に、第三者への譲渡を希望する案件が数十件以上寄せられており、将来的には同社の顧客同士でM&Aを成立させたい考えだ。新たに設置した事業承継の専門部隊はフォーバルビジネスグループに所属し、当初は10名程度の陣容で業務に当たる。



■Key Points

・主力のコンサル事業は「アイコンサービス」から「次世代経営コンサルティング」に展開、環境や人材教育など事業領域の広さが特徴

・2018年3月期第1四半期は売上横ばい、減益も計画どおりの滑り出し

・事業承継部隊を立ち上げM&Aなどを含めた支援を開始



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)