ディア・ライフ<3245>は、都市型マンションの開発事業・収益不動産の投資事業などのリアルエステート事業を中核に、人材派遣事業及びセルフストレージ(トランクルーム等のレンタル収納スペース)ビジネス向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを展開する企業グループである。2004年の会社設立以来、東京圏に特化した主に単身者・DINKS向けマンションの開発(リアルエステート事業)を主軸として急成長を遂げた。代表取締役社長の阿部幸広(あべゆきひろ)氏をはじめとした専門性の高い人材の不動産目利き力が強みである。会社設立とほぼ同時にスタートさせた不動産業界向けの人材派遣業(セールスプロモーション事業)、2009年に子会社化したパルマ<3461>を通じて提供しているセルフストレージビジネス向けBPOサービスの各種事業も伸びている。2007年8月、会社設立から3年弱で東証マザーズに上場。2015年8月には東証1部に昇格、その後も著しい成長をみせている。



1. 事業内容

同社の主力事業はリアルエステート事業であり、全社売上の83.8%(2017年9月期)、全社営業利益の87.7%(同)を稼ぐ大黒柱である。そのビジネスモデルの特徴は、1)東京圏に特化している、2)1棟30戸〜50戸程度の規模の単身者・DINKS向けマンションの開発を得意とする、3)1棟単位で不動産販売会社や事業法人・各種投資家層に売却し区分の販売を行わない、などであり、少数精鋭の人材が年間売上高13,805百万円(同)に達する事業を切り盛りし、資産効率及び生産性が高い。



2. 業績動向

2017年9月期通期は、売上高が前期比54.0%増の16,476百万円、営業利益が同27.6%増の2,071百万円、経常利益が同28.9%増の1,996百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.5%増の1,329百万円と大幅な増収増益となった。特に主力のリアルエステート事業の伸びが大きく、都市型マンションや収益不動産を19件売却し全社の業績をけん引した。セールスプロモーション事業で大手不動産会社向けの受託が大きく伸長。アウトソーシングサービス事業では、ターンキーソリューションサービス(セルフストレージ施設の開発販売・開業支援コンサルティング)が大きく増加。3つの事業が過去最高の売上・利益を達成し、事業規模が拡大した。



2018年9月期通期の連結業績は、経常利益で前期比25.2 %増の2,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同24.0%増の1,650百万円と増益を目標としている。



3. 成長戦略

さらなる成長のための資本調達を実施、SMBC日興証券向けに第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権(MSWT)を活用した増資スキームで、2017年3月からスタートし10月に終了、約15.7億円(400万株)の調達を達成した。この資金調達(資本増強策)が寄与し、自己資本比率は38.1%(2016年9月期末)から42.3%(2017年9月期末)に向上し、同業と比較しても高い財務安全性を維持している。開発プロジェクトが急速に増加するなかで、健全な財務構造を維持できている背景には、エクイティファイナンスの巧みさがある。



4. 株主還元策

同社は、株主への利益還元を重要な経営課題としており、配当金の基本方針を連結配当性向35%から40%に変更、2017年9月期の1株当たり配当金は年間17円の実績、配当性向は39.8%となった。2018年9月期は、利益の更なる拡大を背景に、1株当たり配当金は19円に増配、配当性向は40.0%を予想する。



■Key Points

・東京圏・中小規模マンション・1棟売りに特化した超効率ビジネスモデル

・2017年9月期は全事業が成長し、過去最高の業績を達成

・不動産業界では数少ない新株予約権を活用した機動的な手法で15.7億円の資本増強に成功



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)