■要約



Jトラスト<8508>は、東証2部に上場しており、傘下に国内金融事業、海外金融事業、非金融事業などを有するホールディングカンパニーである。国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、2017年12月末の総資産は6,800億円を超えるまでに拡大した。これからの同社は、従来のM&Aを中心としたビジネスモデルから、アジアの銀行業を中心とした利益拡大スタイルへの転換を遂げようとしている。今後も成長速度を緩めることなく、安定した成長を続けながら、世界に羽ばたく総合金融グループへの発展を目指している。



1. 2018年3月期第3四半期は大幅な減益

2018年3月期からはIFRSベースの発表を実現し、第3四半期累計の営業利益は2,691百万円、前年同期比64.7%減の大幅な減益となった。同社投資事業の投資先である Group Lease PCL(以下、GL)の前CEOが偽計及び不正行為を行ったとして刑事告発され、タイ当局から調査を受けることから、同社はGLに対して転換社債契約を解消し、返還の請求を通知するとともに、第3四半期決算でGL株式の減損損失や新株予約権部分に対する評価損を計上したことが、大幅減益の主因であった。一方、主力の金融3事業では増益を維持し、ベースとなる収益は安定的に推移しており、グループ全体の営業利益の黒字を確保した。



2. 2018年3月期予想を下方修正

同社では、2018年3月期通期の連結業績予想を、営業収益88,577百万円(前回予想比913百万円減)、営業利益2,844百万円(同7,214百万円減)と、大幅に下方修正した。営業収益はおおむね計画どおりに推移しているものの、第3四半期決算において投資事業で多額の営業費用を計上したことによる。現段階で予想される損失は計上済みとみられるが、状況次第で追加処理を迫られる可能性もあり、今後も動向を注視したい。



3. 2019年3月期からは東南アジア金融事業がグループ業績をけん引

これまで業績の足を引っ張ったIFRS転換の遅れ、韓国金融事業での負ののれんなどの処理、東南アジア金融事業での不良債権処理、投資事業の損失処理などの諸問題への対応がようやく一段落する。今後は、東南アジア金融事業も継続的に利益を計上し、グループ全体に貢献する見通しである。2019年3月期以降は、今後の成長可能性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、同社グループは持続的かつ大きな成長を目指している。今後も同社グループの収益モデルに変更はなく、ベースとなる主力の金融3事業の利益は安定的に成長するとみる。



■Key Points

・2018年3月期第3四半期決算は、GL関連の損失処理に伴い営業利益は2,691百円(前年同期比64.7%減)となった。ただ、主力の金融3事業は好調で、グループ全体の黒字確保に貢献した。

・第3四半期の減益に伴い、2018年3月期通期予想を、営業利益2,844百万円と、前回予想から71.7%下方修正した。

・同社グループの収益モデルに変更はなく、2019年3月期からは潜在成長性が大きい東南アジア金融事業が原動力となり、持続的かつ大きな成長を目指す。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)