■業績動向



1. 2019年12月期の業績概要

RS Technologies<3445>の2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.8%減の24,501百万円、営業利益で同18.0%減の4,717百万円、経常利益で同11.8%減の5,416百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.2%減の3,035百万円となった。



売上高は景気減速の影響を受けた中国におけるプライムウェーハ事業の落ち込みが主な減収要因となった。地域別売上高で見ると、台湾向けが前期比23.7%増、欧米向けが同4.6%増と増加した一方で、中国向けが同10.6%減、日本向けが同5.5%減、その他アジア向けが同28.0%減となった。なお、2019年1月より連結対象に加わったDG Technologiesについては売上高で20億円弱程度となっており、既存事業ベースでは1割程度の減収だったと見られる。



一方、営業利益の主な減益要因は、プライムウェーハ事業の減収で604百万円、過年度決算訂正費用や社内管理体制の強化に伴う人件費増で343百万円などとなっている。また、DG Technologiesの営業利益の影響は僅少だったものの、のれん償却額154百万円を計上している。



営業外収支が前期比309百万円改善したが、主な増減要因を見ると金融収支の改善で206百万円、中国における補助金収入の増加で133百万円、受取手数料の増加で93百万円、支払手数料の減少で45百万円、為替差益の減少で203百万円となっている。また、前期は特別利益として負ののれん発生益265百万円を計上したが、2019年12月期は特別損失として中国子会社の工場移転費用214百万円及び減損損失180百万円等を計上している。



会社別の業績を見ると、同社が売上高で前期比10.5%減、営業利益で同24.4%減、中国子会社が売上高で同15.6%減、営業利益で同23.9%減とそれぞれ2ケタ減収減益となった。同社については再生ウェーハ及び半導体関連装置・部材などの売上減少と社内管理体制強化に伴う人件費増や過年度決算訂正費用の計上が減益要因となり、期初計画比でも若干下回った。また、中国子会社については米中貿易摩擦に端を発した景気減速の影響により、プライムウェーハやインゴット・消耗品の売上が減少したことに加え、工場移転費用の計上が減益要因となり、期初計画比でも大きく下回った。一方で、台湾子会社については設備投資による増産効果とTSMCなど主要顧客からの需要増を背景に、売上高で同19.3%増、営業利益で同22.0%増と順調に拡大し、期初計画に対しても上回って着地した。



2. 事業セグメント別動向

(1) ウェーハ事業

ウェーハ事業の売上高は前期比1.8%減の10,776百万円、営業利益は同1.7%増の4,081百万円となった。12インチ再生ウェーハの能力増強に伴う減価償却費の増加があったものの、国内外で主要顧客からの需要が期を通じて旺盛に推移したことから、利益率は前期比で1.3ポイント上昇の37.9%となった。12インチ再生ウェーハの月産能力は2018年の34万枚(国内22万枚、台湾12万枚)から、2019年は40万枚(国内25万枚、台湾15万枚)に増強したが、旺盛な需要を背景に高稼働率が続いている。



(2) プライムシリコンウェーハ製造販売事業

プライムシリコンウェーハ製造販売事業の売上高は前期比15.6%減の10,058百万円、営業利益は同26.6%減の1,503百万円となった。中国の景気減速に伴って半導体市況が悪化し、プライムウェーハや消耗材などの売上げが減少したほか、減価償却費の増加や工場移転に伴う一時費用の計上などが減益要因となった。営業利益率は前期比2.3ポイント低下の14.9%となったが、償却前営業利益率では同1.2ポイント上昇している。8インチウェーハ用のインゴットの内製化率上昇が主因と見られる。



四半期ベースの売上推移を見ると右肩下がりに減少しているが、第1四半期から第2四半期にかけては消耗材を中心に減少、第3四半期はプライムウェーハの需要減が減少要因となっている。また、第4四半期に営業利益がマイナスに転じているが、これには北京工場の移転に伴う従業員の早期退職引当金、徳州市の新工場立ち上げに向けた新規従業員の採用費用及び人件費が含まれている。



(3) 半導体関連装置・部材等

半導体関連装置・部材等の売上高は前期比38.7%増の4,047百万円、営業利益は同53.2%減の171百万円と増収減益となった。売上高はDG Technologiesの子会社化により増収となったものの、利益面では販売構成比の変化やのれん償却額154万円の計上が減益要因となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)