■イチネンホールディングス<9619>の事業概要



(3) パーキング事業

土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など契約形態は様々。全国展開しているが、関西地区の比率(約63%)が高くなっている。また最近では、総合病院や大型の商業施設に付帯する駐車場の運営管理にも注力している。



(4) 機械工具販売事業

既述のように同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約8,500の自動車整備工場と提携しているが、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーが得られるとして、この事業に参入した。複数の子会社で事業を行っているが、歴史が長い(株)イチネン前田(現(株)イチネンMTM)は主に自動車用工具と産業用工具を扱ってきた。(株)イチネンTASCOは空調工具、環境計測器を扱っているが、空調工具では業界一の売上実績があり「TASCO」ブランドは高い信頼を得ている。また(株)イチネンミツトモ(現イチネンMTM)は電動工具やDIY用品を扱ってきたが、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインナップを揃えている。近年は、子会社(株)イチネンネットをとおしてネット販売も強化している。また海外展開の強化として、2015年4月にタイで合弁会社を設立した。



また2018年8月に(株)トヨシマの事業を吸収分割により継承したが、2019年4月1日付でトヨシマを存続会社としてイチネン前田、イチネンミツトモ、(株)ゴンドー、(株)イチネンSHOKOの4社を吸収合併し、イチネンMTMに商号変更している。また2019年11月に会社分割による事業継承で新規連結子会社となった(株)アクセスもこの部門に含まれる。



(5) 合成樹脂事業

このセグメントはさらに3つのサブセグメントに分けられるが、合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っている。アミューズメント事業は、主にパチスロ機の筐体部分を設計、製造するもので、商社及びメーカー機能を併せ持っている。科学計測器事業では酸素濃度計、ガス検知警報機の開発・製造・販売も行っている。また2020年3月から新規連結子会社となった(株)浅間製作所もこの部門に含まれるが、主な事業内容はパチンコ機向けの部品の製造等であり、既存事業(スロット向け合成樹脂製造)とのシナジーが期待される。



(6) その他

新規事業である農業、遊休不動産の賃貸・管理事業などが含まれる。農業分野は、ミニトマトの生産を行っているが、生産量は順調に拡大している。



2. 特色、強み

同社の特色及び強みを要約すると以下のようになる。



(1) 変化に強く、安定性がある

多角化経営により、環境の変化に対して柔軟な対応が可能。さらに業績の増減をそれぞれの事業でカバーし合うことで、全体としては安定した経営を継続的に行うことが可能である。



(2) グループ一体経営

グループ間のシナジーを最大限に生かし、グループ全体で成長を続けている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)