■業績の動向



1. 2020年3月期の業績概要

サンワテクノス<8137>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%減の137,943百万円、営業利益で同45.8%減の1,846百万円、経常利益で同40.9%減の2,144百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同49.0%減の1,341百万円と、2期連続の減収減益となった。期の前半は米中貿易摩擦の長期化等による景気減速とそれに伴う製造業の設備投資抑制が影響し、また、回復が期待された後半も2020年に入って新型コロナウイルス感染が世界的に拡大し、設備投資に対する慎重姿勢が続いたことで、FA・産業機器業界向けを主力とする同社もその影響を受ける格好となった。



ただ、四半期ベースの推移を見ると、第4四半期は売上高で前年同期比2.3%増の38,077百万円、営業利益で同5.8%増の826百万円と6四半期ぶりに増収増益に転じている。これは半導体業界で設備投資を再開する動きが出てきたことによる。このため、同社でも年明け時点では2020年の市場見通しについて回復に向かう1年になると見込んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大によって、先行きが不透明なものとなっている。



売上高は記述のように前期比5.1%(7,467百万円)の減収となったが、部門別に分けると電機部門が同14.0%(3,432百万円)の減収と最も落ち込みが大きく、電子部門が同2.7%(2,970百万円)の減収、機械部門が同9.3%(1,066百万円)の減収と3部門すべてで減収となった。電子部門の減収率が小幅にとどまったのは、自動車(車載)業界向けの売上が2ケタ増と好調を持続したことが要因となっている。2019年10月30日に会社が発表した2020年3月期通期の修正予想値の売上高は140,000百万円であったが、最終的には売上高が1.5%(2,057百万円)下振れた。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものと見られる。



営業利益は前期比45.8%(1,563百万円)の減益となった。これは減収要因に加えて、売上構成比の変化により売上総利益率が前期の11.2%から10.5%に低下したことも一因となっている。FA・産業機器業界向けが2ケタ減収と落ち込んだ一方で、利益率の低い自動車(車載)業界向けが2ケタ増収となり、相対的に売上構成比で前期の18.4%から22.4%に上昇したことが影響している。販管費率については、経費削減や業務効率の向上に取り組んだものの、売上減少により前期の8.9%から9.1%に上昇し、この結果、営業利益率は2.3%から1.3%に低下した。なお、会社修正予想値からは経費削減や業務効率向上の効果が想定以上に出たことで、15.4%上回って着地した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)