■今後の見通し



1. 2021年3月期の業績見通し

ソフト99コーポレーション<4464>の2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の24,800百万円、営業利益で同5.0%減の2,300百万円、経常利益で同6.4%減の2,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.7%減の1,720百万円と増収減益を見込んでいる。販促費や研究費、情報システム投資に伴う償却費等の増加を見込んでいることに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受け、4月から5月下旬まで自動車教習所や温浴施設で休業を強いられたことが減益要因となる。このため、上期の業績については営業利益で前年同期比25.2%減と落ち込みが大きく、下期回復型の業績見通しとなっている。とはいえ、新型コロナウイルス感染症の収束が長引くようだと回復の時期もずれ込む可能性はある。なお、事業セグメント別の見通しは以下の通り。



(1)ファインケミカル事業

ファインケミカル事業の売上高は前期比3.7%増の12,550百万円、営業利益は同7.9%増の1,420百万円と増収増益を見込む。新型コロナウイルス感染症の影響については、プラス、マイナス両面出ている。プラス面では、外出自粛によって在宅時間が長くなるなかで、マイカーのメンテナンスや自宅の掃除をする機会が増えたことによる関連商品の需要増加や、マスク需要の増加に伴う「メガネのシャンプー」「メガネのくもり止め」などの需要が4月以降も増加していることが挙げられる。一方、マイナス面では自動車販売の落ち込みによる業務用コーティング剤などの需要低迷があり、全体ではほぼ中立要因となっている。このため、2021年3月期も一般用カー用品や家庭用品の販売増が増収増益要因となる見通しだ。また、前期は冬用タイヤチェーンの返品で3億円程度の減収要因となったが、2021年3月期は平年並みに戻る見込みであることもプラス要因となる。



TPMSについては引き続きトラック・バス等の運送業者向け、及び乗用車用OEM製品の販売増が見込まれる、国内でTPMSを純正で装着している乗用車はまだ一部の高級車や大型車にとどまっているが、これら車種でのリプレース需要が見込まれる。また、特殊大型車両や建設機械、モノレールなどでの採用増加も期待される。



(2)ポーラスマテリアル事業

ポーラスマテリアル事業の売上高は前期比1.3%増の5,750百万円、営業利益は同0.4%減の730百万円となる見通し。産業資材に関しては、半導体向け精密洗浄材が4月以降も海外顧客からの追加発注が入っており堅調に推移しているものの、下期はこうした需要が一巡して通期では前期比横ばい水準になると見ている。また、生活資材も米国の自動車用途向けが引き続き低迷しており、減収となる公算が大きいものの、国内が新型コロナウイルス感染症の影響で好調が続いており、増収要因となる。ただ、利益面では人材投資や開発投資を継続していくことから微減益を見込む。



(3)サービス事業、不動産関連事業

サービス、不動産関連事業の合計は、売上高で前期比2.2%減の6,500百万円、営業利益で同58.7%減の150百万円と大幅減益となる見通し。サービス事業では自動車教習事業で4月から5月下旬にかけて2ヶ月弱休業したことがマイナス要因となる。また、事故車等の入庫数減少により低迷が続いている自動車整備・鈑金事業については、美装関連事業(ボディコーティング、プロテクションフィルム、カーラッピング等)に徐々にシフトしており、ビジネスモデル転換の過渡期となる。生活用品企画販売については、通販需要が引き続き堅調に推移する見通し。



不動産関連事業については、新型コロナウイルス感染症の影響で温浴事業の一部店舗で4月、5月と休業したほか、営業再開後も食事の提供はまだ再開しておらず、客数の減少及び客単価の低下の影響がしばらく続く見通しで、上期業績は大きく落ち込むことが予想される。一方、不動産賃貸事業については前期並みの状況が続く見通しだ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)