■要約



コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品をそろえており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。



1. 2020年3月期の業績動向

2020年3月期の業績は、売上高135,180百万円(前期比0.8%増)、営業利益7,115百万円(同1.2%増)、経常利益7,248百万円(同0.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,585百万円(同4.1%増)となった。売上高は8期連続で増収となり過去最高を更新した。通期では増収・増益となったが、2019年10月からの消費税の引き上げの影響(反動)が予想以上であったこと、原材料価格の低下ペースが予想より遅れたことや新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響で下期の業績が失速し、営業利益は計画値(8,000百万円)を下回った。セグメント別では、材料費の影響で主力のボンド事業は増益となったが、土木建設事業は増収ながら子会社の不振で減益となり、化成品事業は自動車向け・化学工業向け以外がすべて低迷し減収・減益となった。設備投資額は、関東支社の建設、危険物自動ラック倉庫(栃木)の建設などで3,775百万円、減価償却費は1,862百万円であった。



2. 2021年3月期の業績見通し

2021年3月期の業績予想は、売上高139,000百万円(前期比2.8%増)、営業利益7,180百万円(同0.9%増)、経常利益7,260百万円(同0.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,620百万円(同0.7%増)となっている。コロナの影響で第1四半期の業績は厳しいと予想されるが、コロナの影響が一巡した後には需要は回復すると見ており、通年では少なくとも前期並みの業績を計画している。セグメント別では、すべてのセグメントで増収増益を予想しているが、今後のコロナの影響次第では、予想が修正される可能性もある。ただし、年間配当は前期並みの36円を維持する方針だ。



3. 新中期経営計画2021

同社は前回の「中期経営計画2018」に続いて、「新中期経営計画2021」への取り組みにまい進している。数値目標としては、2021年3月期に売上高1,500億円(2018年3月期比16.7%増)、営業利益86億円(同18.8%増)、営業利益率5.7%(同0.1ポイント増)、ROE9.0%(同0.4ポイント増)を掲げていたが、足元の業績動向から判断して、この目標達成は難しくなってきている。しかし同社グループ各社との連携強化などの定性的目標は変わっておらず、様々な施策は粛々と実行していく予定だ。それらの成果も含めて、コロナ収束後には新たな中期経営計画が発表される可能性が高いと弊社では見ている。



■Key Points

・国内最大級の接着剤・シーリング材メーカー。向け先は住宅用、産業用、自動車用等幅広い

・2021年3月期はコロナの影響で先行き不透明ながら前期並みの利益を目指す

・「新中期経営計画2021」の目標達成は困難だが、新たな経営計画を模索中



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)