■今後の見通し



MonotaRO<3064>の2020年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比19.0%増の156,468百万円、営業利益は同17.2%増の18,569百万円、経常利益は同17.0%増の18,584百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.3%増の12,997百万円と、売上高・各利益ともに高い成長を維持する予想である。なお予想数値は、期初の予想を据え置いている。この計画が達成されれば、19期連続の増収、11期連続の増益となる。



期初に公表された2020年12月期の連結業績予想は、コロナ禍の影響を想定していない数値をベースに算定したものであるが、第2四半期実績を踏まえて修正は行っていない。



売上高に関しては、新型コロナウイルスの今後の動向によって左右される。事業者向けネット通販事業(monotaro.com)では、主力3業種(製造、建設・工事、自動車整備)の注文単価下落が2020年5月上旬のゴールデンウイークを底に回復傾向が見られ、個人顧客の新型コロナウイルス対策関連商品注文も継続している。購買管理システム事業(大企業連携)も非常事態宣言解除後、計画未達幅に縮小傾向の兆しが見られる。この傾向は数字にも表れており、2020年6月の売上高が前年同月比で31.1%増(営業日数調整後:19.2%増)、2020年7月で同15.4%増(営業日数調整後:20.9%増)(8月11日発表)と推移している。



利益に関しては、売上総利益率、販売管理費率それぞれに変動要因が存在する。売上総利益率は通期予想28.5%(前期比0.3ポイント増)に対して第2四半期は28.2%と未達だった。個人顧客の比率は足元で低下傾向であり、この傾向が続けば配送料率が減少するため、通期予想に近い着地となる可能性が高い。販売管理費率は通期予想16.7%(前期比0.5ポイント増)に対して第2四半期は15.8%と予想以上だった。2020年12月期下期は遅延中の商品情報管理システム等の費用(システム利用料、減価償却費)の本格計上が開始されることなどから、通期予想に近い比率に近づくことが予想される。ただし、コロナ禍の影響次第では、個人対法人の顧客構成が変動することにより、いずれの指標(比率)もぶれる可能性を残す。



通期計画に対する第2四半期の進捗は売上高48.1%(前年同期は47.9%)、営業利益50.2%(同48.0%)、経常利益50.3%(同47.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益50.3%(同48.3%)と前期同期を上回る。同社のビジネスモデルは、顧客数が積み上がり、購買歴の長い顧客ほど購入額が多くなるという優位性を持つ。このため、上期より下期の売上・利益が増加する傾向がある。コロナ禍による激動の上期を乗り越えたなかで、同社のビジネスモデルの堅牢さが改めて証明された。弊社では、下期に多少の外部環境の波乱があったとしても通期の着地の下振れリスクは低く、むしろ法人需要の回復による上振れが期待できると考えている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)