■決算概要



1. 2020年12月期第2四半期の業績

AOI TYO Holdings<3975>の2020年12月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比20.5%減の24,367百万円、営業損失が881百万円(前年同期は816百万円の利益)、経常損失が1,047百万円(同637百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が956百万円(同257百万円の利益)となった。コロナ禍の影響により大きく落ち込み、各段階利益で損失を計上した。



売上高は、「ソリューション事業」を除く、各事業が大きく減少した。特に、コロナ禍のもと、活動制限に伴うテレビCM制作の延期等により「動画広告事業」が大幅に落ち込んだ。また、「広告関連事業」についても各種イベントの中止や延期等により減収となった。なお、前年同期比で約62億円の減収分のうち、コロナ禍の影響は約54億円程度であり、そのうち7割の約36億円は2020年12月期第3四半期以降に延期となっているようだ。また、受注高についても、コロナ禍に伴う経済活動の停止や先行き不透明感により低調に推移した。その結果、第2四半期末の受注残高は前年同期末比7.2%減の約140億円にとどまっている。



顧客別売上高で見ても、すべてのチャネルで減収となったが、特に電通グループ及び博報堂グループなど大手広告会社向けの落ち込みが顕著となっている。



利益面でも、2019年12月期に減損処理を行ったソフトウェアの減価償却費や開発費の減少に加え、業績不振子会社の整理等にかかる費用の減少、交通費及び交際費の削減等により、費用全体の圧縮を図った。しかし、減収に伴う収益の下押しにより大幅な営業損失に陥った。



財政状態は、減収に伴う売上債権の減少等により総資産は前期末比7.1%減の49,573百万円に減少した。一方、自己資本も四半期純損失の計上により同6.0%減の21,560百万円に減少したことから、自己資本比率は43.5%(前期末は43.0%)とほぼ横ばいで推移した。一方、手許資金は前期末比46.1%増の13,307百万円を確保しているほか、複数の金融機関との間で120億円のコミットメントライン(借入枠)を設定していることから、流動性を含めて財務面での懸念はない。



2. 各事業の業績と活動実績

(1) 動画広告事業

売上高は前年同期比21.2%減の16,882百万円と大きく落ち込んだ。特に、コロナ禍に伴う緊急事態宣言発令(4月7日〜5月25日)のもと、撮影をほぼ全面的にストップし、テレビCM制作の延期要請等の措置を行ったことが響いた。ただ、テレビCMに比べると、オンライン動画を含むデジタルコンテンツの減収幅が小さいところは構造的な変化を示しているとの見方ができる。利益面でも、利益率の高いプリント売上の減少による外部要因に加え、コロナ禍に伴う中止・延期案件の実費請求等の影響が重なり、実行利益率は31.4%(前年同期は33.5%)に低下した。ただ、売上高は第2四半期をボトムとして底打ちしつつあり、下期の実行利益率は回復に向かう見通しである。



(2) ソリューション事業

売上高は前年同期比0.2%増の3,391百万円とほぼ横ばいで推移した。そのうち、TYOオファリングマネジメント部門の売上高(メディア費を除く)は、ネット系企業等からの受注増が下支えとなり、前年同期並みを確保した。一方、Quark tokyo(及びMediator)の売上高については、オリンピック・パラリンピック関連案件の中止や広告需要の低迷等に伴う既存顧客の予算削減等により伸び悩んでいる。



(3) 広告関連事業

売上高は前年同期比33.5%減の2,875百万円と大幅な減収となった。コロナ禍に伴う各種イベントの中止・延期等が業績の落ち込みを招いた。



(4) 海外事業

売上高は前年同期比18.4%減の1,219百万円と減収となった。コロナ禍に伴う各国のロックダウン等が大きく影響した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)