■業績動向



1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要

アイ・エス・ビー<9702>の2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の12,131百万円、営業利益で同51.4%増の883百万円、経常利益で同50.5%増の905百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同52.8%増の497百万円と2ケタ増収増益となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。また、期初会社計画に対しても、すべての項目で上回り、ほぼすべてのグループ会社で増収増益を達成している。



事業セグメント別の業績動向を見ると、情報サービス事業は売上高で前年同期比9.2%増の10,023百万円、セグメント利益で同64.8%増の668百万円となった。コロナ禍のためフィールドサービス分野の売上げが伸び悩んだものの、業務システムや組込み系ソフトウェア分野が2ケタ増収と好調に推移した。2019年に子会社化したテイクスや国内外グループ会社との連携を進めることで、既存顧客及び新規優良顧客からの受注が増加した。利益面では、増収効果に加えて、グループ間連携の推進などにより受託開発事業の収益性が向上したこと、新型コロナウイルス対策としてテレワーク体制を敷いたことで、交通費など諸経費が全般的に減少したことなどが増益要因となり、利益率も前年同期の4.4%から6.7%に上昇した。



一方、セキュリティシステム事業は売上高で前年同期比15.2%増の2,142百万円、セグメント利益で同24.9%増の206百万円となった。出入管理システムの既存物件におけるリニューアル工事がコロナ禍により前倒しで進んだことに加えて、感染症対策として新規に取扱いを開始したサーマルカメラや、建設現場で作業員の入退場管理を行うカードリーダーの販売が好調だったことなどが増収増益要因となった。





業務システム、組込み系ソフトウェア分野が2ケタ増収と好調持続

2. 分野別売上動向

(1) 「携帯端末」「モバイルインフラ」

「携帯端末」分野は前年同期比15.2%減の789百万円となった。アプリ開発業務は受注を着実に獲得し増収となったものの、スマートフォンの開発業務縮小トレンドが続き減収となった。また、「モバイルインフラ」分野は同2.1%減の509百万円と減少したものの、前下期比では26.3%増と回復に転じ、計画比でも45.0%増と大きく上回った。ローカル5Gも含めた基地局関連開発業務の受注増加が要因となっている。



(2) 「組込み」

「組込み」分野は前年同期比14.0%増の2,771百万円と2ケタ成長が続いた。車載系業務が同11%増と好調を持続したほか、デバイス開発業務、キャッシュレス決済等のリテール系業務の受注が好調に推移したことが要因だ。ただ、車載向けに関しては主要顧客で開発プロジェクトを抑制する動きが出始めており、第3四半期以降の売上高は当初の想定よりも弱含む見通しとなっている。



(3) 「業務システム」

「業務システム」分野は前年同期比34.1%増の2,173百万円となり、計画比でも23.5%上回るなど好調に推移した。2019年にテイクスやコンピュータハウスを子会社化したことによって受注能力が拡大し、積極的な受注活動に取り組んだことが高成長につながっている。当第2四半期累計では、企業の基幹システム開発で複数の大型案件の受注を獲得したほか、その他業務システムの開発案件の受注も増加した。



(4) 「金融」「公共」

「金融」分野は前年同期比5.2%増の805百万円となった。証券系の主要顧客からの受注確保に加えて、銀行系の新規案件を受注したことが増収要因となった。「公共」分野については同0.8%増の893百万円となった。前期のスポット案件の終了による減収分を官庁でのシステム刷新案件の拡大でカバーした。



(5) 「フィールドサービス」

「フィールドサービス」分野は前年同期比2.4%増の1,899百万円となった。クラウド系の業務が減少したものの、サーバー・ネットワーク構築の需要が堅調に推移した。ただ、コロナ禍で案件の見直しなどの動きも出ており、計画比では9.1%下回った。



(6) 「プロダクト事業」

「プロダクト事業」は前年同期比15.4%増の2,292百万円となった。前述したように主力のセキュリティシステムの売上が好調に推移したことが要因だ。また、MDM(モバイルデバイス管理)事業についても契約ID数が前期末の12万件から12.5万件となるなど着実に増加している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)