■業績動向



● 2021年2月期第2四半期の業績概要

(1) 損益状況

パイプドHD<3919>の2021年2月期第2四半期は、売上高2,974百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益553百万円(同1.5%増)、経常利益557百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益362百万円(同4.8%増)となった。



セグメント別では、主力の情報資産プラットフォーム事業では、契約販売(クラウド利用の月額課金)は比較的堅調であったものの、一般販売(スポット売上高)は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により営業活動が停滞したことなどから低調に推移し、セグメント売上高は前年同期比1.5%増にとどまった。それ以外の販促CRM事業や広告事業、xTech事業、社会イノベーション事業などは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて低調に推移した。



損益面では、比較的利益率の高い情報資産プラットフォーム事業の売上構成が上がったこと、不採算子会社を整理したことなどから売上総利益率は75.6%(前年同期は70.8%)へ改善し、売上総利益額は2,249百万円(前年同期比6.4%増)となった。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による営業費用(出張費等)の減少があったものの、新卒採用による人件費増等により同8.1%増となった。その結果、営業利益は同1.5%増を確保した。



売上高は前年同期比14百万円減少したが、増減要因としては、情報資産プラットフォーム事業が31百万円増(うちスパイラル37百万円増)、販促CRMソリューション事業41百万円減(うちデジタルCRM12百万円減、運営支援16百万円減)、広告2百万円減、xTech事業/社会イノベーション事業1百万円減(うち「美歴(R)」5百万円増、BIM7百万円増、オーダーメイド人材育成代行12百万円減)であった。



営業利益は前年同期比8百万円増加したが、主な増加要因は、外注費の減少112百万円(うち広告管理業務の内製化による外注費削減62百万円、制作・開発の生産性向上による外注費削減41百万円)、交通費の減少11百万円などで、主な減少要因は、売上高の減少14百万円、業務委託費の増加57百万円(うち人員不足分の一部業務委託32百万円、売上に伴うコンサル費用15百万円)、人件費/研修費の増加20百万円、その他費用の増加22百万円であった。



(2) 従業員数の推移

同社では2020年2月期を最終年度とする中期経営計画の達成のために、2018年2月期から2019年2月期にかけて積極的に人材の採用(先行投資)を行い、2019年2月期末には従業員数は466名となった。その後、2020年2月期は新卒を含めて新規の採用を控えたことから、2020年2月期末の従業員数は418名まで減少した。しかし今後の成長を見据えて、2021年2月期に入ってからは新卒37名、第二新卒11名を採用した。その結果、自然減と合わせて2021年2月期第2四半期末の従業員数は460名(前期末比42名増)となった。



(3) セグメント別損益状況

「機能別事業群」の状況は以下のとおり。



a) 情報資産プラットフォーム事業

売上高は2,082百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は694百万円(同9.6%増)となった。期末の「SPIRAL(R)」有効アカウント数が3,690件(前期末は3,680件)と増加したことなどから、契約販売(クラウド利用の月額課金)は堅調に推移した。一方、スポット的な売上である一般販売は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による営業活動の自粛、商談の先送りなどが発生し、売上高は低調に推移した。この事業の主力製品はクラウドであることから、損益分岐点を超えてからの利益率は高く、さらに人件費を中心とした経費増が抑制されたことから、増収に伴ってセグメント利益は増益となった。



b) 販促CRMソリューション事業

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顧客側の需要が減少し、売上高は412百万円(前年同期比9.2%減)と減収となった。減収に伴い、営業損益は4百万円の損失(前年同期は5百万円の利益)となった。



c) 広告事業

売上高は354百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は129百万円(同1.8%増)となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、経済活動停滞の影響を受けたものの、一部ではWeb広告へのシフトも見られ、これらを取り込むことで前年同期比横ばいを維持した。



「分野別事業群」の状況は以下のとおり。



d) xTech事業

IT技術の利活用により企業や団体の垣根を越えて情報を共有することで、業界に革新的なサービスを創出することが期待できる事業を行っている。売上高は87百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益5百万円(前年同期は32百万円の損失)となった。BIMは比較的堅調に推移し、「美歴(R)」も増収を維持したものの、主要顧客である美容院で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、利益面では低調に推移した。セグメント損益は前年同期比では改善しているが、これは主に不採算子会社を解散(2019年12月)したことによるものである。



e) 社会イノベーション事業

個々の企業や業界の内部にある問題の解決だけでなく、それらの枠を超えて存在する社会的問題の解決を図ることを目的とした公益性の高い事業を行う。売上高は37百万円(前年同期比4.1%減)、営業損失13百万円(前年同期は21百万円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて様々なイベントが中止や延期となり「I Love下北沢」「シモキタコイン(R)」などが大きな影響を受けた。一方で自治体向け広報紙のオープン化・活用サービス「マイ広報紙」は順調に拡大が続いている。2020年8月には掲載自治体が872となり、国内の自治体数の約5割をカバーするまでになっている。このセグメントは、依然として小規模であり収益への貢献は少ないが、将来的に期待できる分野でもある。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)