■業績動向



1. 2021年3月期第2四半期の業績概要

ランドコンピュータ<3924>の2021年3月期第2四半期の業績については、売上高が前年同期比1.4%減の4,140百万円、営業利益が同20.1%減の185百万円、経常利益が同16.4%減の203百万円、四半期純利益が同15.9%減の135百万円となった。前年同期が過去最高業績を達成していることの反動もあった。なお、計画比で見ると、売上高についてはパッケージベースSI・サービスのクラウドビジネスの伸長により3.4%増となったものの、営業利益については第2四半期に発生した大型不採算案件の影響により11.1%減となった。



(1) サービスライン別動向

サービスライン別売上高については、主力のシステムインテグレーション・サービスが前年同期比5.9%減の2,695百万円、インフラソリューション・サービスが同15.3%減の572百万円となった一方で、パッケージベースSI・サービスは同33.0%増の872百万円の大幅な増収となった。



a) システムインテグレーション・サービス

業種別構成比が最も高い金融機関向けの売上高は前年同期比1.0%増加、売上高構成比は33.5%となった。これは主に、ネットバンク及び地方銀行等の金融機関向け次世代勘定系システム開発案件の売上増加や、クレジットカード分野での既存案件の売上増加による。一方で、コロナ禍による医療分野の受注が大幅に減少したことや、保険分野の開発案件の規模縮小、公共分野の新規受注案件の減少及び前年同期に比べ流通分野の法改正等に伴う開発案件の反動減により売上が減少した



b) インフラソリューション・サービス

コロナ禍による対面営業及び顧客先対応業務の制限等により、基盤構築案件の売上が大きく減少した。また、前年同期のWindows10更新関連ビジネスに伴う反動減も影響した。



c) パッケージベースSI・サービス

DX推進の中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連において、引き続き大型開発案件の売上が大幅に増加した。なお、Salesforce関連ビジネスの売上高は前年同期比84.9%増、売上高構成比は69%となった。これにより、コロナ禍で需要が低迷した会計パッケージ及び人事給与パッケージの減収をカバーした。



(2) 営業利益の増減要因分析

減益要因としては、売上減少によるプロジェクト利益の減少(15百万円減)、受注損失引当金の増加(25百万円減)、DX推進における教育研究費及び人件費の増加(40百万円減)、プロジェクト利益率の低下(6百万円減)が挙げられる。また増益要因としては、間接原価の減少(11百万円増)及び販管費の減少(+28百万円増)があった。



最大の減益要因であるDX推進における教育研究費及び人件費の増加については、先行投資的意味合いが強い。一方、間接原価及び販管費の減少は、コロナ禍の活動自粛に伴う会議・交際費、旅費交通費などの費用削減であった。第2四半期に発生した大型不採算案件の影響と、下期に見込まれる費用を損失引当金に繰り入れたことが、計画値から11.1%減少した要因となる。



2. 財務状況と財務比率

2021年3月期第2四半期末の資産合計は、5,369百万円と前期末比128百万円減少した。これは主に、現金及び預金(147百万円増)、システム開発の進捗による仕掛品(175百万円増)であった一方、売上債権が488百万円減少したことによる。負債合計は、1,659百万円と同212百万円減少した。これは主に、受注損失引当金が同73百万円増加した一方、買掛金(83百万円)、未払金(16百万円)、納税により未払法人税等及び未払消費税等(133百万円)などによる。なお、同社は無借金経営であり、流動比率は408.1%、自己資本比率は69.1%と財務の安全性は極めて高い。



3. キャッシュ・フロー

2021年3月期第2四半期の現金及び現金同等物の四半期末残高は2,300百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの収入(244百万円)が、投資活動によるキャッシュ・フローの支出(10百万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出(89百万円)を上回った。また、財務活動によるキャッシュ・フローの支出のうち、配当金の支払による支出が89百万円となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)