■業績動向



1. 2021年3月期第2四半期の業績動向

テノックス<1905>の2021年3月期第2四半期の業績は、売上高7,205百万円(前年同期比19.0%減)、営業利益16百万円(同97.2%減)、経常利益29百万円(同95.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益44百万円(同90.2%減)となった。コロナの拡大が世界規模で拡がり続ける中、国内では緊急事態宣言は解除されたものの、再び感染が拡大するなど先行きの見えない状況が続いた。このため個人消費や経済活動は、一時期の極めて厳しい状況から幾分持ち直したものの、依然本格回復には至らない状況となっている。建設業界においても、公共投資は底堅く推移したものの、民間の設備投資や住宅投資は弱含みで推移した。そのような環境の中、同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げた目標達成へ向け鋭意取り組んできたが、コロナの影響などにより減収減益となった。



コロナの同社業績への影響は、後に詳述するが、中断せざるを得ない工事が僅かながら発生した程度で、実は第2四半期での売上高への影響がほとんどなく、もともと大型物件の一巡を予想していたため減収は想定内だった。一方利益面では、減収に伴う固定費率の上昇は想定していたが、中小物件を中心に受注競争が激しくなったことで工事粗利率が低下したのは想定外だった。受注への影響は、建築資材供給の停滞などによる施工計画の中止や工事の延期は限定的だったが、国土交通省のガイドライン順守やテレワークの活用など万全の施工・営業体制を敷いたことで、かえってバリューチェーンにスムーズさが欠けた部分が出たようだ。また、中小物件において受注競争が激しくなっている点については、今後も含めて懸念材料と言える。なお、施工への影響は、緊急事態宣言の期間に元請の方針で中断した工事が僅かにあった以外は影響がほとんどなく、資機材の調達や労務に関しても大きな問題は生じなかった。海外(ベトナム)は、出入国が規制されているため、現在でも日系企業の工場や倉庫の建設で一部施工困難な状況となっている。総じて言うと、第2四半期業績において、工事粗利率の低下以外大きな影響はなかったと言えよう。





建設事業の減収減益が全体に影響した

2. 2021年3月期第2四半期のセグメント別業績動向

2021年3月期第2四半期のセグメント別業績は、建設事業が売上高7,094百万円(前年同期比19.1%減)、セグメント利益41百万円(同93.5%減)、土木建築コンサルティング全般等事業が売上高98百万円(同15.8%減)、セグメント損失26百万円(前年同期は38百万円の損失)、その他の事業が売上高13百万円(前年同期比14.4%増)、セグメント利益1百万円(同43.1%減)だった。



売上高減少の主因は、建設事業の杭基礎工事(土木)において、2018年3月より施工してきた北陸新幹線の福井〜敦賀間高架橋基礎工事がおおむね終了したほか、高速道路関連工事が一服するなど大型工事が端境期となったことにある。杭基礎工事(建築)は集合住宅が減少したもののデータセンターの大型物件が寄与して微増収、地盤改良工事は物流施設の大型物件や商業施設などが伸び、商品売上は大型土木工事の鋼管杭の販売が増加した。一方利益面では、利益貢献する大型物件が少なくなった上、稼働率低下により固定費率が上昇した。加えて、一部中小事業者が安値受注を増やしたあおりで同社の工事粗利率も低下した。この結果、販管費を抑制したものの、建設事業の営業利益は大幅に減少することとなったのである。建設事業以外の事業による増減益への影響はほとんどなかった。なお、民間/官公庁別(単体)では官公庁が鉄道関連中心に前年同期比48.1%減収となったが、民間は同3.8%減収にとどまり、民間の下支え効果は大きかったといえる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)