■業績動向



1. 2021年3月期第2四半期の業績動向

価値開発<3010>の2021年3月期第2四半期の売上高は852百万円(前年同期比70.8%減)、営業損失914百万円(前年同期は101百万円の利益)、経常損失981百万円(同33百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,070百万円(同147百万円の利益)と、コロナ禍の影響により大幅な減収減益となった。



売上高に関しては、第1四半期において、コロナ禍に伴う各国政府の渡航制限や日本政府による緊急事態宣言の発出によりインバウンド及び国内利用客が大幅に減少したことで、同社運営ホテルの稼働率及び客室単価が大幅に低下し大幅な減収となった。また、運営するホテルの一部を休館したことも影響した。なお、第1四半期単独の売上高は373百万円(前年同期比73.8%減)だった。第2四半期には、国内の緊急事態宣言の解除に伴う経済活動の段階的な再開やGoToトラベルキャンペーンなどにより稼働率の改善傾向が見られたものの、稼働率及び客室単価の十分な改善には至らなかった。なお、第2四半期単独の売上高は478百万円(同67.9%減)だった。



営業損益に関しては、建物オーナーとの賃借料の削減交渉、人件費を含む経費の削減に取り組むとともに、運営するホテルの一部を休館するなど、コストコントロールに取り組んだ。賃借料では通期で603百万円の削減インパクト(2020年9月時点)を達成し成果が表れた。第1四半期単独の営業損失は500百万円、第2四半期単独の営業損失は414百万円と緩やかな回復傾向となっている。





2021年3月期通期予想は未定であるが、下期は客室稼働回復やオペレーション効率化などにより収支改善へ



2. 2021年3月期通期の業績見通し

2021年3月期通期については、コロナ禍が同社の事業活動に与える影響について、現時点で合理的に予測することが困難な状況にあるため、業績予想の開示を見送った。しかしながら、足元の第3四半期はGoToトラベルキャンペーンの追い風により、宿泊需要は回復が顕著となっている。同社ホテルにおいても、多くがGOPベースで黒字を確保している。また、2021年3月期にグランドオープンした9ホテル(「KOKO HOTELS」5店、「ベストウェスタンホテル」3店、「フィーノホテル」1店)においても同様に好調であり、思い切った価格戦略や広告投資により稼働を確保し、損益分岐を超えて推移している。一方で、コロナ禍の影響は予断を許さず、GoToトラベルキャンペーンの一時停止(全国では2020年12月28日から2021年2月7日まで)や、新型コロナウイルス変異種の発生による入国制限の動向、都市圏での競争激化による宿泊単価の低下など、依然として不透明である。なお費用面では、ITを活用したオペレーションの効率化や、客室規模の大きなホテルにシフトすることによるスケールメリットの実現などの取り組みが進んでいる。弊社では、プラス面がマイナス面を上回るため、下期単独では業績回復に向かう可能性が高いと見ている。



3. 財務状況

2021年3月期第2四半期末の総資産は前期末比852百万円増の4,842百万円となった。流動資産は同525百万円増加したが、これは現金及び預金が同477百万円増加したことが主な要因である。固定資産は同326百万円増加したが、これは新規ホテルの開業に伴い工具、器具及び備品が増加し、有形固定資産が同247百万円増加したことが主な要因である。なお、現預金残高は1,530百万円と余裕がある。



負債合計は前期末比1,618百万円増の4,957百万円となった。流動負債は同182百万円増加したが、これは未払金が同189百万円増加したことなどが主な要因である。固定負債は同1,436百万円増加したが、これは転換社債型新株予約権付社債が同1,200百万円増加(発行に伴う増加1,500百万円及び転換に伴う減少300百万円)、長期借入金が同292百万円増加したことなどが主な要因である。



経営指標では、流動比率102.4%(前期末82.4%)、自己資本比率は-2.5%(前期末16.3%)と財務の安全性に課題を残す。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)