■業績動向



1. 2020年9月期の業績概要

学研ホールディングス<9470>の2020年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の143,564百万円、営業利益で同12.2%増の5,075百万円、経常利益で同10.9%増の5,273百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.7%増の2,321百万円となった。コロナ禍という逆風が吹くなかで、売上高は11期連続増収、営業利益、経常利益ともに6期連続の増益となり、営業利益、経常利益に関しては2009年の持株会社体制移行後の最高益を達成した。同社は2018年11月に発表していた当初計画から、2019年11月に上方修正を行った。しかし、第2四半期決算発表時点で、コロナ禍が業績に与える影響について不透明なことから、2019年11月に発表していた修正計画を一旦取り下げ、2020年6月時点ではその修正計画からを引き下げた業績予想を発表していた。しかし、2020年6月の業績予想に対しては売上高、各利益ともに上回り、売上高、営業利益、経常利益についてはほぼ2019年11月の修正計画並みの水準で着地した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、新型コロナウイルス感染症に関連した損失253百万円を特別損失として計上したこと、また、税金費用が当初見込みより増加したことで、期初計画からは未達となっている。



営業利益の増減要因を見ると、売上総利益の増加で1,426百万円、広告宣伝費の減少で585百万円、交通費・交際費・会議費の減少で517百万円の増益要因となり、その他販管費の増加1,976百万円を吸収した格好となっている。その他販管費の増加要因は、医療福祉サービス事業における拠点拡大に伴う費用増のほか、新たにアイ・シー・ネットを子会社化した影響も含まれている。また、事業セグメント別で見ると、コロナ禍の影響が直撃した教育サービス事業が減益となったが、それ以外の事業はすべて増益を達成した。なかでも、教育コンテンツ事業については減収となったものの、不採算事業の見直しや巣ごもり需要を追い風に児童書・学習参考書などの販売が好調で大幅増益となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)