■中長期の成長戦略



ジェネレーションパス<3195>は、今後の展望として、「『メタECカンパニー』のさらなる進展に向けて、『1+3軸』※で成長」というスローガンを掲げている。これは2019年10月期の重点施策として発表されたもので、以降の新中長期経営計画については現時点では未発表である。東京証券取引所の市場再編時期(2022年4月)をにらみ、それまでには新中期経営計画の発表が行われるものと思われる。



※国内に加え、第1軸:地理的展開(中国・アジアへ)、第2軸:バーチカル展開(新規商品開発・ブランド開発)、第3軸:水平展開(データ事業・メディア事業)を行うというもの。





「メタECカンパニー」とは、国内ECを主軸としながらも、ECに関連して海外展開・自社商品開発・そして非物販事業(データ・メディア)などへ多面的な拡大を行う、という姿のことである。同社は、目標達成のために積極的なM&A投資は欠かせないとしている。対象領域については、基本的には既存事業とのシナジーが発揮できる領域での投資を優先しつつ、取扱商品範囲の拡大に伴いあらゆる領域を検討していく。具体的には、インターネット関連でポイント・決済業務やシステム・Web制作会社(カンナートの例)、さらに取扱商材の範囲が拡大していけば関係する商材メーカー、貿易会社などサプライチェーン上の上流から下流まで広範囲に対象とすることが考えられる。また、M&A投資規模としては中長期的には100億円を想定しているとのことだが、資金的な問題が解決できればさらに上積みも考えられる。



また、人材の確保も同社の成長のための大きな要素となっている。取扱商材の分野や絶対数、パートナーやチャネルの増加に伴い、窓口として価格交渉などを行うバイヤー要員が不足してきており、今後毎年15〜20人の新規採用(中途採用含む)が必要になるとしている。中長期的な成長・事業拡大のためには、M&Aと人材の確保が重要なカギとなるだろう。



コアとなる国内EC事業については、市場規模も事業者数も増加傾向にあるが、すでに過当競争の時代に入ってきているとも言われている。また、消費者保護の観点から事業者への規制等も厳しくなってきており、中小の事業者にとっては厳しい環境下にあり、一部の優良EC事業者への寡占化が今後進む可能性がある。直近のコロナ禍については、今後の動向が不透明ではあるが、長期的にもEC販売が増加する傾向は変わらないものと思われる。同社では、この事業環境は同社にとってはむしろ追い風であり、顧客目線により量・質の両面で更なる拡大を目指すとしている。



また、2017年10月期から2018年10月期第2四半期までの間に売上げ伸び悩みの一因ともなった物流問題については、新規物流企業との提携や増設の推進、倉庫・配送業務の分散化による総量規制の回避及び宅配送料の販売価格への転嫁やコスト抑制により、収益性の維持とトータル物流コストの削減を継続的に図るとしている。いずれにしても、国内EC事業は今後とも同社の主力事業として、中長期的成長・事業拡大について期待がかかる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)