■業績動向



1. 2021年2月期第3四半期累計業績の概要

キャリアリンク<6070>の2021年2月期第3四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比39.9%増の22,054百万円、営業利益で同296.5%増の2,261百万円、経常利益で同304.0%増の2,303百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同287.4%増の1,599百万円となり、第3四半期累計として過去最高を大きく更新した。また、第3四半期(2020年9月〜11月)の業績を見ても、売上高で前年同期比50.4%増の8,092百万円、営業利益で同330.5%増の959百万円となり、四半期ベースで右肩上がりの高成長が続いている。



売上高は、コロナ禍の影響により営業系人材サービス事業において引き続き厳しい状況が続いたものの、製造系人材サービス事業で第3四半期に入って受注が回復したほか、主力の事務系人材サービス事業において官公庁向けBPO案件を中心に新規大型案件等の受注を予想以上に獲得できたことが大幅増収の要因となっている。



売上原価率は収益率の高い案件の売上構成比が高まったことで、前年同期の80.9%から77.6%に低下した。また、販管費は就業スタッフ募集費やシステム開発費用の増加により前年同期比9.7%増となったものの、増収効果やWeb面接等を導入することで募集費用を効率化できたこと、その他経費の抑制に取り組んだことなどにより、対売上比率では前年同期の15.5%から12.1%に低下した。この結果、営業利益率は前年同期の3.6%から10.3%と大幅上昇となった。





官公庁向けを中心としたBPO案件の受注獲得により、事務系人材サービス事業が急成長



2. 事業セグメント別の動向

(1) 事務系人材サービス事業

事務系人材サービス事業の売上高は前年同期比61.2%増の18,533百万円、営業利益は同339.6%増の2,166百万円と大幅増収増益となった。BPO事業者及び官公庁からの新規大型BPO案件を予想以上に多く受注できたことが、大幅増収につながった。利益面では、増収効果に加えて収益率の高い新規大型BPO案件が増加したことによる売上総利益率の向上、並びに販管費率の低減などにより大幅増益となり、営業利益率も前年同期の4.3%から11.7%に上昇した。



事業部門別の売上動向を見ると、BPO関連事業部門の売上高は前年同期比101.8%増の12,234百万円と大幅増収となり、第3四半期だけで見ても同118.7%増の4,828百万円と四半期ベースで過去最高を更新している。2019年4月から2020年3月までの完成請負案件の売上高を2020年3月に売上計上したことに加えて、BPO事業者及び官公庁からの新規大型案件を予想以上に多く獲得できたことが増収要因となった。第3四半期においても給付金やマイナンバーカード関連など既存案件の継続受注に加えて、新規大型案件の受注を獲得した。



CRM関連事業部門の売上高は前年同期比3.9%減の2,622百万円となり、第3四半期だけで見ても同6.8%減の836百万円と低調に推移した。コロナ禍に伴い感染予防を目的とした出勤調整などを実施したことが減収要因となった。政府の緊急事態宣言が解除された2020年6月以降は受注が緩やかながら回復に向かっているものの、回復力は緩慢な状況となっている。同部門では顧客企業によって好不調が分かれており、ECや情報通信サービス業界向けは繁忙となっている。また、金融業界向けについても、堅調に推移した。



一般事務事業部門の売上高は前年同期比36.1%増の3,676百万円となり、第3四半期だけで見ても同31.7%増の1,208百万円と2ケタ増ペースが続いた。コロナ禍に伴い、官公庁及び金融機関以外の民間企業向けの新規受注が減少したほか、既存案件における派遣スタッフの出勤調整等の影響があったものの、緊急事態宣言解除後は新規案件の受注を予想以上に獲得できたことが増収要因となった。



(2) 製造系人材サービス事業

製造系人材サービス事業の売上高は前年同期比3.4%減の2,349百万円、営業利益は同105.0%増の41百万円となった。コロナ禍の影響によって、輸送機器や家電業界等の製造加工業向けの受注減や派遣スタッフの出勤調整等が第2四半期まで続いたものの、第3四半期に入ってからは堅調だった食品加工業向けに加えて、製造加工業向けの受注も回復し、第3四半期単独の売上高については同5.7%増の859百万円と5四半期ぶりに増収に転じた。また、利益面では、売上高が減少したものの、登録募集費用や人件費の減少、並びに出張費等の経費抑制に取り組んだことが増益要因となった。



(3) 営業系人材サービス事業

営業系人材サービス事業の売上高は前年同期比41.0%減の962百万円、営業利益は同37.0%減の35百万円となった。緊急事態宣言発出に伴い、同社がターゲットとする中小の小売店や飲食店等へのキャッシュレス決済システムの導入提案といった訪問営業活動を自粛したこと、また、緊急事態宣言解除後も訪問営業活動の停滞が続いており、第3四半期単独の売上高も同40.3%減の284百万円と減少傾向が続いた。利益面では、人件費や経費の削減等に取り組んだものの、売上減に伴う売上総利益の減少が減益要因となった。



(4) その他

その他はJBSの子会社である東京自動車管理(株)における自動車管理事業となる。売上高は前年同期比0.2%増の209百万円と横ばい水準となったが、利益面では人件費の削減効果により前年同期の1百万円から18百万円に拡大した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)