■要約



1. 会社概要と事業内容

CAC Holdings<4725>は、1966年8月設立の日本国内ではパイオニア的な独立系ソフトウェア専門会社として事業をスタートし、積極的なM&A戦略をテコに事業領域を拡大。現在は海外での飛躍を目指すIT&ヘルスケア・グループ(持株会社傘下の連結子会社20社、持分法適用関連会社2社が事業展開)を形成している。



報告セグメントは、国内IT事業(国内子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・人事BPOなど)、海外IT事業(海外子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・保守サービスなど)、CRO事業(製薬企業が医薬品開発時に行う治験業務や製造販売後の業務の受託・代行サービス)の3つで構成されている。また、2019年12月期より意思決定を迅速化し機動的な事業遂行を実現するため、既存事業を4つに区分し、新規事業1つを加えた合計5つの事業ドメインを設置している。



2. 2020年12月期の連結業績はコロナ禍にあっても期初計画線で着地

2020年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%減の48,539百万円、営業利益が同48.2%増の1,948百万円、経常利益が同51.8%増の1,909百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.3%増の1,669百万円となった。期初業績予想(売上高52,000百万円(前期比2.6%増)、営業利益2,000百万円(同52.1%増)、経常利益1,900百万円(同51.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同6.7%減))に対しては、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響でセグメント別の入り繰りはあったものの、全体としておおむね計画線に沿った着地を実現した。



また、財務体質の安全性を計る代表的な指標の推移を見ると、自己資本比率が前期末54.7%から2020年12月期末57.0%、流動比率が同179.0%から2020年12月期末226.9%、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債(プラスはキャッシュ超過))が同6,136百万円から2020年12月期末 7,455百万円となり、いずれも向上している。



3. 2021年12月期の連結業績予想は前期比5.1%増収、同33.4%営業増益を見込む

同社による2021年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比5.1%増の51,000百万円、営業利益が同33.4%増の2,600百万円としている。セグメント別では、国内IT事業の売上高が同1.1%減31,500百万円、セグメント利益が同2.3%増の1,900百万円、海外IT事業の売上高が同11.5%増11,000百万円、セグメント利益が同0.9%増の450百万円、CRO事業の売上高が同24.6%増の8,500百万円、セグメント利益は黒字転換の250百万円(前期は353百万円の損失で、603百万円の改善)を見込んでいる。大幅増益のけん引役は、CRO事業となっている。



4. 最大の強みは「トランスフォーメーション力」

同社の最大の強みは、時代によって変化する社会のニーズ・課題に応じて自らを変革してきた「トランスフォーメーション(企業変革)力」だと弊社は考えている。



同社は、独立系ソフトウェア専門会社としての成長に安住することなく「M&Aによる事業拡大」に「選択と集中による事業構造改革」を織り交ぜながら、現在のIT&ヘルスケアサービス企業へと進化してきた。その「トランスフォーメーション力」を支えているのが「挑戦を是とする企業文化(経営の意思)」「事業拡大の核となる優良な顧客基盤」「機動的な財務戦略を可能とする盤石な財務体質」である。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)