■要約



システムサポート<4396>は、業界トップクラスの技術力を強みに、クラウドやERP、データベースの利用支援などのソリューション事業を中心に成長を続ける独立系IT企業である。本社は石川県だが、事業活動の中心は東名阪であり、米国シリコンバレーにも子会社を置いている。ソリューション事業以外にも、データセンター運営を中心としたアウトソーシング事業や、クラウド(SaaS型)サービスでの提供が中心となるプロダクト事業など、ストック型ビジネスを展開している。ソリューション事業においては個別のシステム受託開発のほか、クラウド関連ではMicrosoft AzureやAmazon Web Services(AWS)、ServiceNow、ERP関連ではSAP、データベース関連ではOracleなどグローバルIT企業の製品・サービスを取扱い、高品質で豊富な実績が高く評価され、これら企業からの顧客紹介によって営業コストをかけずに安定した受注を獲得している。



1. 2021年6月期第2四半期累計業績の概要

2021年6月期第2四半期累計(2020年7月-12月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.2%増の6,917百万円、営業利益で同25.1%増の508百万円と増収増益を達成し、期初計画(売上高7,004百万円、営業利益410百万円)に対しても利益ベースで上回る格好となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響はほぼ想定した範囲に収まり、売上高は計画通りで進捗した。一方、利益面では高利益率の「ServiceNow」関連の売上が前年同期比80%増と大きく伸長したこと、また、在宅勤務体制による原価率の改善や販管費の低減が進んだことが、上振れ要因となった。事業セグメント別では、プロダクト事業が若干の減収減益となったものの、主力のソリューション事業やアウトソーシング事業は増収増益と順調に拡大した。



2. 2021年6月期業績見通し

2021年6月期は売上高で前期比7.2%増の14,342百万円、営業利益で同5.8%増の798百万円と期初計画を据え置いた。下期において現時点で特段の懸念要因は無いものの、コロナ禍の影響が依然不透明であることを据え置きの理由としている。ただ、ソリューション事業を中心に売上高は下期も堅調に推移する見通しであり、下期に特段の費用増要因もないことから、利益ベースでは計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。



3. 成長戦略

同社は中長期的な成長戦略として、主力のソリューション事業の安定成長に加えて、アウトシーシング事業やプロダクト事業の成長をさらに加速していくことで、業績拡大及び収益力向上を目指している。ソリューション事業では高い技術力を有する人材を採用・育成していくことにより、需要が旺盛なクラウドやERP、データベース関連の売上を拡大していく。特に、企業のDX化を実現するツールとして需要が急拡大しているクラウド型プラットフォーム・ソリューションの「ServiceNow」では、同社はパートナーとして最高位の「Elite Partner」に認定されている。ServiceNow関連は、豊富な実績を持つ強みを生かして今後も積極的に売上を伸ばしていく考えで、利益率も高いことから全体の収益力向上にも寄与するものと期待される。一方、アウトソーシング事業ではプライベートクラウド構築企業を主要ターゲットに、BCP対策としてのバックアップ用需要を取り込んでいく方針となっている。また、プロダクト事業では業務効率向上に貢献する各種クラウドサービスを自社開発・提供しており、販売代理店の拡充やWebマーケティングの強化により、契約件数を伸ばして売上成長を目指す方針となっている。また、プロダクト事業についてはM&Aも成長戦略の1つとして位置付けている。



4. 株主還元策

株主還元として、利益配分については、内部留保を確保しつつ安定した配当を継続することに加え、業績、利益水準に応じて配当水準の向上を図る意向を示している。2021年6月期の1株当たり配当金は、業績が会社計画を上回るペースで進捗していることもあり、期初計画の10.0円から20.0円に増配することを発表している。配当性向では40%弱の水準となるが、結果的には利益の上振れにより30%台前半の水準に落ち着くものと弊社では見ている。



■Key Points

・独立系IT会社であり、Microsoft Azure、AWS 、ServiceNow、SAP、OracleなどグローバルIT企業の製品・サービスの案件を多く手掛けることで成長を続ける

・2021年6月期業績は期初計画を据え置くも、旺盛な需要を背景に上振れの公算が大きい

・高い技術力を強みに、需要が旺盛な需要が旺盛なクラウドやERP関連の案件の受注獲得と、ストック型ビジネスの積み上げにより高成長及び収益力向上を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)