■サカタインクス<4633>の事業概要



アジア及び米州が収益柱

3. セグメント別構成比

連結決算における報告セグメントは、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(米州)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。グローバル展開の加速、新規連結(2019年12月期にタイのエターナル、ブラジルのクリエイティブを新規連結)、環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販などによって、市場拡大・開拓余地の大きいアジア及び米州が利益柱となっている。



2020年12月期のセグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、印刷インキ・機材(日本)が14.9%、印刷インキ(アジア)が37.2%、印刷インキ(米州)が44.8%、印刷インキ(欧州)が-6.6%、機能性材料が7.3%、その他が2.4%だった。2019年12月期との比較で見ると、コロナ禍の影響を受けたアジア及び機能性材料の構成比が低下し、パッケージ用インキ拡販や価格上昇効果で米州の構成比が大幅に上昇した。欧州は構造改革効果で赤字縮小した。





原材料価格上昇に対してグループシナジーの取り組みを強化

4. リスク要因と対策

収益に影響する主要なリスク要因としては、原材料価格の変動、グローバル展開に伴う為替換算影響などがある。



特に原材料価格の急激な上昇に対しては、販売価格の改定遅れやタイムラグが、業績に影響を及ぼす可能性がある。主要原材料である白顔料(酸化チタン)や色顔料は世界の生産の多くを占める中国メーカーの供給能力の影響を受ける。また、樹脂や溶剤は原油・ナフサ価格の影響を受ける。



原材料価格の動向を見ると、2017年以降、原油価格の高騰により石油由来の材料価格が上昇した。また、中国における環境規制強化やエネルギー政策転換等の影響で中国メーカーの供給能力が大幅に低下し、需給バランスが崩れて白顔料や色顔料の価格が高騰した。さらに、2018年には米中貿易摩擦による制裁関税の影響も加わって、白顔料や色顔料の価格上昇が続いた。2019年に入ると、日本市場では白顔料や色顔料の価格上昇が続いたが、海外市場では落ち着き始めた。2020年にはコロナ禍の影響で原油価格が急落したため、石油由来材料が下落傾向となった。



このような原材料価格変動に対して、販売価格改定による適正化を進めるとともに、グループシナジーによる原材料コストの削減(原材料のグローバル調達など)や生産性向上によって、原材料価格上昇の影響を軽減させる取り組みを強化している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)