■要約



アイリックコーポレーション<7325>は、企業テーマに「人と保険の未来をつなぐ〜Fintech Innovation〜」を掲げ、自社開発したシステム・サービスで保険分析・販売を支援するプラットフォーマーとして事業展開している。中長期的には業界の枠を超えたFintech企業としての成長を目指している。



1. 来店型保険ショップ「保険クリニック」やシステム販売などを展開

自社開発した業界唯一のワンストップ型保険分析·検索システム「保険IQシステム」を活用して、来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とフランチャイズ(FC)で全国展開するとともに、金融機関や保険代理店向けのシステム販売も行っている。子会社(株)インフォディオは、AIを搭載した非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システム「スマートOCR」を開発·販売している。報告セグメントは、保険販売事業(「保険クリニック」直営店運営の直営店部門、法人向け訪問型保険販売の法人営業部門)、ソリューション事業(システム提供のAS部門、「保険クリニック」FC展開のFC部門)、システム事業(子会社インフォディオ)としている。



2. 自社開発システムによるワンストップソリューションが強み

保険販売(訪問型、来店型)は競合の多い市場だが、自社開発システムを活用して、コンサルティングから契約まで業界唯一のシステムによって、ワンストップソリューションで展開していることが強み·競合優位性となっている。この結果として高い継続率と高い満足度を獲得し、2020年11月にはオリコン顧客満足度®ランキング「来店型保険ショップ」で総合第1位を獲得した。また店舗数は増加基調であり、成約率も高水準で推移している。



3. 2021年6月期第2四半期累計は販管費増加で減益だが、赤字想定から一転黒字着地

2021年6月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.2%増の2,163百万円、営業利益が同67.4%減の80百万円、経常利益が同66.9%減の82百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同76.6%減の35百万円だった。売上面はソリューション事業FC部門とシステム事業が好調に推移しておおむね計画水準だった。新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)の影響で外出自粛による来店客数減少がやや残ったが、TVCMやWeb広告も寄与して緩やかに回復している。利益面は、中期成長に向けたシステム開発、人財投資、本社増床、TVCMなど計画的な投資で販管費が増加したため減益となったが、想定の損失予想から一転して黒字で着地した。



4. 2021年6月期通期は利益横ばい予想(レンジ予想)を据え置き

2021年6月期通期の連結業績予想(レンジ予想)は据え置いて、売上高が4,800百万円〜5,000百万円(前期比15.1%増〜19.9%増)、営業利益が460百万円〜500百万円(同4.0%減〜4.3%増)、経常利益が460百万円〜500百万円(同5.9%減〜2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が280百万円〜330百万円(同13.4%減〜2.1%増)としている。保険販売事業の直営店部門、ソリューション事業のAS部門、システム事業が伸長して2ケタ増収予想となっているが、同社は2021年6月期と2022年6月期を「投資·準備期間」と位置付けて戦略的な先行投資を実行して販管費が増加するため、利益は横ばい予想としている。なお2021年6月期第2四半期累計の進捗率が低水準の形だが、期初時点で下期偏重の計画としている。



5. 2023年6月期の売上高70億円、営業利益10億円を目指す

成長戦略として2020年6月に「3年後のあるべき姿」を策定し、目標数値には2023年6月期売上高70億円、営業利益10億円を掲げている。2021年6月期と2022年6月期は「投資·準備期間」と位置付けて、システム投資、人財投資、広告宣伝投資など戦略的な先行投資を実行する。このため売上の増加に比べて、利益の伸びは小幅にとどまる計画としている。そして2023年6月期を「成長の年」として目標値の達成を目指す方針だ。さらに保険分析·販売支援のプラットフォーマーとして収益拡大を図るとともに、「スマートOCR」の拡販も推進し、業界の枠を超えたFintech企業としての成長を目指す方針だ。中期成長力を評価したい。



■Key Points

·自社開発システムで保険分析·販売を支援するプラットフォーマー

· 2021年6月期と2022年6月期は「投資·準備期間」

·業界の枠を超えたFintech企業としての成長を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)