■要約



1. 会社概要

SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。また、2020年2月期には独自の「SFPフードアライアンス構想」(以下、アライアンス構想)を開始し、今後の成長軸として位置付けている。ただ、足元業績は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)のため大きく後退しており、当面は新規出店等の大規模投資は控え、コスト削減による収益体質の強化を図る方針である。2021年2月末の総店舗数は、アライアンス構想により連結対象となった子会社※1 2社(合計35店舗)を含めて227店舗(うち、FC※2 14店舗)となっている。



※1 同社は「フードアライアンスメンバー」(以下、アライアンスメンバー)と呼称。

※2 フライチャイズ(以下、同様)。





2. 2021年2月期の業績

2021年2月期の連結業績は、売上高が前期比56.7%減の17,428百万円、営業損失が5,339百万円(前期は2,549百万円の利益)とコロナ禍の影響により大幅な減収となり、各利益段階で損失を計上した。コロナ禍に伴う全店(及び一部)休業や時短営業が通期にわたって断続的に続いたことにより、全業態で大幅な減収となった。通常営業が再開された第3四半期には回復の兆しがあったものの、コロナ禍の再拡大(第3波)により、第4四半期に失速する結果となった。損益面でも、人員の再配置や店舗経費の見直し等により販管費の削減に取り組んだものの、売上高が大きく減少するに伴って固定費負担(店舗家賃や人件費等)が重荷となり大幅な営業損失を計上した。もっとも、売上の減少が大きい店舗等を退店し収益体質を強化したこと、テイクアウトやデリバリーなど新たな需要の取り込みに一定の成果を残したところは、今後に向けてプラスの材料と言える。



3. 2022年2月期の業績予想

2022年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比43.4%増の25,000百万円、営業利益を0百万円と、売上高の一定の回復により営業損益でのブレークイーブン(経常損益では黒字化)を見込んでいる。3回目の緊急事態宣言の発出等に伴う時短営業の継続により、足元の第1四半期は苦戦する見通しであるものの、第2四半期にかけて通常営業を再開するとの想定の下、売上高は段階的に回復するシナリオを描いている。損益面では、厳しい状況にある第1四半期は感染拡大防止協力金・助成金の受給で損失をカバーする一方、第2四半期以降は売上高の回復や販管費の抑制継続により利益の改善を進めていく。また、新規出店等の大規模投資は当面控え、既存店舗の業態転換や改装を中心に小規模投資にとどめる考えである。



4. 今後の方向性

同社は、毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、今回はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあることから現時点で公表を見送っている。もっとも、新規出店やM&A(アライアンス構想の推進を含む)などの投資は当面凍結したうえで、まずは既存店舗の強化(業態転換や改装等)や収益体質の改善などにより、業績の早期回復を目指す方向性に大きな変更はない。コロナ禍に伴う環境変化(ニューノーマル)を見据えた微調整や試行錯誤を柔軟かつ機動的に行いつつ、再成長に向けた投資の中身やタイミングを見定めていく考えと見られる。弊社でも、コロナ禍による活動制限はすべての業態に例外なく影響を及ぼしたものの、「磯丸水産」の業態としての優位性は失われておらず、不採算店舗の退店等により筋肉質な経営体質を目指すとともに、環境変化に合わせたチューニングを行っていくことが、再び成長軌道に乗せるために必要なプロセスであると捉えている。



■Key Points

・2021年2月期の業績はコロナ禍の影響を受けて大きく後退

・不採算店舗の退店等による収益体質の強化や、テイクアウトやデリバリーなど新たな需要の取り込みでは一定の成果

・2022年2月期の業績予想は売上高の一定の回復とコスト抑制の継続等により経常黒字化を見込む

・当面は収益体質の強化を図るとともに、2022年2月期以降での成長軌道への回帰を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)