■インタースペース<2122>の業績動向



2. 事業セグメント別の動向

(1) インターネット広告事業

インターネット広告事業の売上高(社内取引高含む)は前年同期比18.9%減の10,326百万円、事業利益※は同50.8%減の393百万円と2年連続で減収減益となった。2019年から続いていたeコマース分野の大型プロモーション案件がなくなったこと、コロナ禍で美容・エステなどサービス業界からの広告出稿低迷が長期化したこと、新規商材獲得のための営業活動が十分に行えなかったことなどが要因だ。ただ、ストアフロントの業績が継続課金売上の伸張により増収増益となったほか、海外事業もベトナム、インドネシアを中心に大きく伸長するなどプラス要因もあり、先行きに関しては明るくなってきている。



※社内共通費用配賦前の利益で、決算短信の事業セグメント利益とは異なる。





主な広告カテゴリー別の売上高動向を見ると、金融・保険は前年同期比4.6%減の3,234百万円となった。証券及び暗号資産案件が大きく伸長したものの、FXなどその他商材が低迷した。eコマースは同39.0%減の2,819百万円と大きく減少した。既述のとおり大型プロモーション案件がなくなったことを除けば堅調に推移している。サービスは同12.7%減の3,129百万円となった。資格取得講座などのオンライン教育やビデオオンデマンド案件などが好調に推移したものの、美容・エステ関連の低迷が響いた。



SFAは同16.3%増の856百万円と3年ぶりに増収に転じた。ストアフロントで提供している携帯電話販売代理店向けの継続課金型商材(スマートフォン向け情報セキュリティ商品「MWノートンストア」)の契約件数が右肩上がりに伸びており、増収に貢献した。子会社のストアフロントの四半期別売上推移を見ると、2019年9月期第1四半期以降、継続課金型の売上が右肩上がりに伸びており、第2四半期では売上高の約8割を占めるまでになっていることから、ビジネスモデルの転換が完了し、今後は利益拡大フェーズに入ると見ている。



また、海外事業についても大きく伸長しており、ベトナムの持分法適用会社を含めたベースで見ると、売上高は前年同期比65.8%増の902百万円と過去最高を大きく更新した。営業利益もベトナム分を含めれば10百万円程度の黒字になったと見られる。東南アジアでもeコマース分野を中心にプロモーション施策としてアフィリエイトサービスを活用する企業が増え始めていることが要因と見られる。国別で見ると、全体の約6割を占めるベトナムがeコマース、金融分野を中心に同40%弱の増収となった。インドネシアでは大手通販サイトのプロモーション案件を受注し、大幅増収となった。シンガポールやマレーシアについては小規模ながらもeコマース分野を中心に売上を伸ばしている。唯一、タイについては低調に終わったが、これは主要顧客であった外資系金融機関が東南アジア市場からの撤退を発表した影響が大きい。現状は顧客社数が少ないため、主要顧客の動向が売上に与える影響が大きくなっている。なお、海外の事業会社5社の人員は約180名となっており、このうちベトナムが約7割を占めている。



(2) メディア運営事業

メディア運営事業の売上高(社内取引高含む)は前年同期比92.4%増の1,167百万円、事業利益※は144百万円(前年同期は73百万円の損失)となった。主力の「ママスタ」において、引き続きコンテンツの充実を図り、大手ポータルサイトとの提供を強化したことによりUU数やPV数が大きく伸長し、広告収益が伸長したことが主因だ。また、コンテンツの充実により「4MEEE/4yuuu!」も好調に推移し、コンテンツ型メディアの売上高は同55.0%増の617百万円となった。



※社内共通費用配賦前の利益で、決算短信の事業セグメント利益とは異なる。





一方、比較・検討型メディアの売上高は前年同期比288.0%増の551百万円と急拡大したが、これは2020年3月に子会社のTAG STUDIOに運営を譲渡したことに伴い、売上計上方法を従来のネット計上(手数料収入のみ計上)からグロス計上(広告原価も含めて計上)に変更した影響が大きい。なお、メディアのUU数としてはゲーム関連のメディアが好調に推移した。また、「塾シル」も「ママスタ」との連携による認知度向上に取り組んだ効果で増加傾向となった。掲載教室数も約6,800教室となり、2021年3月には初めて単月黒字を達成した。なお、第2四半期における月間UU数は全体で同52.9%増の28,960千UUと計画を上回るペースで拡大している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)