■業績の動向



2. 部門別・業界別、地域別動向の詳細

サンワテクノス<8137>は売上高について、取扱商品別に電機・電子・機械の3部門に分けて内訳を開示しているほか、地域別セグメント情報として売上高及び営業利益、また、参考情報として業界別売上構成比と増減動向について開示している。



(1) 部門別売上高の動向

電機部門の主な商材は、サーボモーターやモーションコントローラ、プログラマブルコントローラ、インバータ、パワーコンディショナなどが挙げられる。売上高は、国内の産業機械業界及び半導体業界向けに加えて中国の産業機械業界向けの増加により、前期比9.6%増の23,157百万円と3期ぶりに増収に転じた。



電子部門の主な商材は、コンデンサやコネクタ、リレー、スイッチなどの一般電子部品のほか、ファンモーターやステッピングモーター、LED、電源装置、ヒートシンクなど多岐にわたっている。売上高は、国内及び中国の産業機械向けが増加したこと、コロナ禍の影響によるカジノ業界の設備投資が大幅に冷え込んだ影響でアミューズメント向けの売上が大きく落ち込んだことにより、前期比3.5%減の102,657百万円となった。なお、第2四半期まで生産調整により低迷していた自動車(車載)向けに関しては2021年3月期下期に盛り返し、通期ではほぼ前期並みの水準まで戻っている。



機械部門の主な商材は、安川電機<6506>のロボットのほか搬送装置や減速機などが挙げられる。売上高は、国内で2020年3月期の売上に寄与した国内の産業機械向け大型案件がなくなったこともあり、前期比13.9%減の8,955百万円となった。



(2) 業界別売上動向

業界別の売上動向を半期ベースで見ると、2021年3月期上期はほぼすべての業界が前年同期比で減収となったが、下期は主力のFA・産業機器業界や自動車(車載)、情報・通信、医療機器向けが増収に転じている。中国で電気自動車や半導体、高速通信規格「5G」の基地局などへの投資が活発化しており、FA・産業機器の受注が回復してきたことが要因だ。また、低迷していた国内についても自動車、半導体業界を中心に設備投資を再開する動きが出始めている。通期で見ると、情報・通信向けが約2割の増収となったが、主力のFA・産業機器や自動車(車載)は横ばい、半導体・液晶関連は1ケタ減になったと見られる。



一方、2021年3月期下期も低迷が続いた業界としてはアミューズメント、食品、セキュリティ関連が挙げられる。アミューズメント業界はコロナ禍でカジノ市場低迷が長期化しており、通期で前期比5割強の減収になったと見られる。また、食品業界向けについては前期に寄与した大型案件が一巡したことによる反動減となっている。



(3) セグメント別売上高・利益動向

日本の売上高は前期比1.9%減の108,252百万円、営業利益は同6.9%減の1197百万円と減収減益が続いた。産業機械業界向け及び半導体業界向けの電機品、産業機械業界向けの電子部品の販売は増加したものの、アミューズメント業界向け電子部品、産業機械業界向け設備機器の販売が減少したことが要因だ。



アジアの売上高は前期比3.0%増の35,492百万円、営業利益は同54.9%増の917百万円と3期ぶりの増収増益に転じた。アミューズメント業界向け電子部品の販売は減少したものの、産業機械業界向け電機品及び電子部品の販売が増加したことによる。特に、売上高の7割強を占める中国向けが自動車、半導体、太陽電池業界向けの設備投資拡大を追い風に増収増益となった。



欧米の売上高は前期比26.4%減の4,711百万円、営業損失は1百万円(前期は84百万円の損失)となった。カジノ市場の冷え込みにより、アミューズメント業界向け電子部品の販売が大きく落ち込んだ。ただ、コスト削減に取り組んだことにより損失額は縮小している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)