■業績動向



1. 2021年10月期第2四半期の連結業績

(1) 損益状況

泉州電業<9824>の2021年10月期第2四半期の連結業績は、売上高42,973百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益1,905百万円(同5.6%増)、経常利益2,090百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,442百万円(同9.2%増)となった。



増収の最大の要因は、銅価格の急騰であるが、実需も半導体業界向けなどは堅調に推移した。またそれまで停滞していた建築・住宅市場向けも3月以降需要が盛り返したことに加え、海外子会社も予想以上に健闘したことから、売上高は通年では増収となった。銅価格の上昇があまりに急ピッチであったため、通常とは逆になり原材料価格の上昇が先行したことから売上総利益率は低下したが、販管費が前年同期比で減少したことから営業利益は予想を上回り前年同期比で増益を確保した。



期間中の設備投資額は85百万円(前年同期127百万円)、減価償却費は285百万円(同291百万円)であった。投資の主な内訳は、沖縄物流センター関連28百万円、複合機等17百万円、子会社エステック8百万円(エコミーティングサーバー他)など。



(2) 財務状況

2021年10月期第2四半期末の資産合計は、前期末比9,035百万円増の76,437百万円となった。流動資産は同9,151百万円増の52,815百万円となったが、主に現金及び預金の増加5,316百万円、受取手形及び売掛金の増加2,387百万円、商品の増加686百万円などによる。固定資産は同115百万円減の23,621百万円となったが、主に減価償却費増や除却による有形固定資産の減少206百万円などによる。



負債合計は前期末比8,105百万円増の35,097百万円となった。流動負債は同8,181百万円増の32,444百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加8,348百万円などによる。固定負債は同75百万円減の2,653百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加59百万円などによる。純資産合計は、主に四半期純利益の計上による利益剰余金の増加1,114百万円などにより、同929百万円増の41,339百万円となった。



2. 2021年10月期第2四半期の商品別概況(単体ベース)

商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。



(1) 機器用・通信用電線

取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は13,422百万円(前年同期比5.6%増)となった。半導体製造装置関連など堅調に推移したものもあったが、米中貿易摩擦やコロナの影響を受け工作機械向けや自動車関連向けはやや低調に推移した。しかし期の後半にはこれらも回復の気配が見られた。比較的銅価格の影響は少ないが、数量ベースでは前年同期比でほぼ横ばいとなった。



(2) 電力用ケーブル

主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。オリンピック関連等は既に竣工済みの一方で、住宅・建設関連が低調であったが、期の後半(3月〜4月)から回復が見られた。その結果、銅価格の上昇の影響もあり売上高は14,421百万円(同14.6%増)となった。



(3) 汎用被覆線

主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。傾向は電力用ケーブルと同様で、期の後半に回復傾向が見られた。加えて銅価格の影響を受けやすいので、売上高は4,147百万円(同20.4%増)となった。



(4) その他電線

主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。末端での需要そのものは低調であったが、銅価格の上昇から、売上高は2,030百万円(同25.2%増)となった。



(5) 非電線

電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は比較的小さく相対的に利益率の高い部門である。半導体関連向けや太陽光関連、小型コネクターが比較的堅調であった。売上高は6,208百万円(同12.1%増)となった。



※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。





(6) 子会社の状況

会社は「近年は連結決算において子会社の貢献度が大きくなってきている」と述べているが、2021年10月期第2四半期においても子会社の健闘が大きかったようだ。個別の業績動向は開示されていないが、国内・海外子会社8社が黒字化(利益計上)しているとのこと。特に半導体関連を扱うエヌビーエス(株)、各種配線部材等を扱う太洋通信工業(株)が好調であった。今後は子会社群の動向も注視する必要がありそうだ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)