■要約



アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社5社、非連結子会社3社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売である。施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金−借入金)は10,859百万円(2021年9月期第2四半期末)と豊富でありバランスシートは強固である。



1. 2021年9月期第2四半期(実績):減収だが販管費減で営業増益確保

2021年9月期第2四半期の連結業績は、売上高34,167百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益1,570百万円(同1.2%増)、経常利益1,657百万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,056百万円(同0.3%減)となった。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)の影響もあり戸建住宅事業、大型物件事業ともに減収となった。売上総利益率は15.0%(前年同期14.9%)とほぼ前年同期並みを維持したが減収により売上総利益額は前年同期比3.6%減となった。一方で販管費はコロナ禍の影響で同5.6%減となり、営業利益は微増益となった。かろうじて前年同期並みを維持したが、厳しい結果と言えるだろう。



2. 2021年9月期の業績予想:期初予想は変えず16.9%の営業増益目指す

2021年9月期の業績予想は、売上高で69,500百万円(前期比6.4%増)、営業利益で2,100百万円(同16.9%増)、経常利益で2,300百万円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,520百万円(同12.7%増)としており、期初予想を変えていない。住宅市場の先行きはコロナ禍の影響により依然として不透明であるが、最悪期からは回復しつつあり増益を見込んでいる。ただし同社が得意領域とする新築住宅市場の環境は厳しく、通期予想の達成は不可能ではないが楽な目標ではないだろう。



3. 第3次中期経営計画:2022年9月期に売上高800億円、営業利益率2.8%の目標

第3次中期経営計画(2022年9月期最終年度)では、当初は売上高900億円(M&A含む)、営業利益率2.5%(22億円)を目標としていた。しかし足元の状況から売上高は800億円、営業利益率は2.8%へと修正されたが、営業利益額の目標(22億円)は変えていない。売上高については、修正された数値でもかなり高い目標と思われるが、M&Aを含めた数値であるため達成される可能性はあるだろう。一方で利益については、足元の状況が必ずしも順調とは言えないことから決して楽な目標ではないと思われる。株主還元については配当性向30%を目途としており、2021年9月期は年間36円配当を予定している。



■Key Points

・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固

・2021年9月期は16.9%の営業増益目指すが、楽な水準ではない

・第3次中期経営計画の目標は2022年9月期に売上高800億円、営業利益率2.8%



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)