■日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の事業概要



4. IT関連事業は大手優良企業との長期継続取引でストック売上比率約8割の安定収益構造

IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)では、大手生損保、大手エネルギー会社、大手メーカーなど、大手優良企業と強固な顧客基盤を構築している。長期継続取引が多いことも特徴である。システム開発業界は、中堅企業が大手SI(システム・インテグレータ)企業の下請けとなる2次請け・3次請け受託の多い業界構造だが、同社の場合はエンドユーザーとの直接取引(一次受託)が8割以上を占めている。同社の技術力・品質力の高さを示す数字だろう。



また大手優良企業との長期継続取引が多いため、開発・構築したシステムの保守・運用等のストック売上も積み上がっている。他社開発案件の保守・運用受託を含めて、IT関連事業におけるストック売上高比率は約8割(2021年3月期)に達し、安定収益構造となっていることも特徴だ。



5. パーキングシステム事業

パーキングシステム事業は、電磁ロック式の無人駐輪場の管理・運営を主力として、駐輪場に関する総合コンサルティング、駐輪場管理・運営システム及び機器の販売も行っている。ITを活用することで駐輪場の管理・運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2(二酸化炭素)排出削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。



「ITと自転車で街と未来を変えていきたい」という思いから、1992年に当時の新技術であった2次元コードでの月極駐輪場管理方法を提案し、これをきっかけに1997年よりパーキングシステム事業を開始、1999年からNCD駐輪場の設置を開始した。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現した。月極が主流だった駐輪場業界において「コイン駐輪場」(時間貸し無人駐輪場)のパイオニアとなり、事業を拡大していった。



具体的には主力の時間貸し無人駐輪場「EcoStation21」(1999年〜)や月極駐輪場「ECOPOOL」(2013年〜)などの駐輪サービスを、首都圏の駅周辺を中心として、関西、中部、九州地区等に展開(関西、中部はパートナー企業に運営委託)し、駅周辺、商業施設、地方自治体管理の駐輪場を網羅していった。



放置自転車削減に貢献するとして、全国の地方自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式駐輪場設置台数は国内最大級である。2021年4月1日現在の駐輪場管理現場・管理台数(「ECOPOOL」含む)は2,085ヶ所(前年比234ヶ所増加)・646,749台(同133,503台増加)となった。前中期経営計画「Vision2020」で目標に掲げていた50万台を2020年4月時点で達成し、さらに拡大基調である。近年は「ECOPOOL」も大幅伸長している。



代表的な導入事例としては、2007年歩道上駐輪場の先駆けとなった渋谷区あおい通り(新宿駅)、2011年最大級3,000台規模の辻堂駅・テラスモール湘南、2018年渋谷地区再開発案件の渋谷ストリーム、2019年赤羽駅東口(赤羽駅は2018年都内駅周辺の放置駐輪ワースト1)、2019年東急グループ再開発案件の南町田グランベリーパーク、2020年西武グループ再開発案件のグランエミオ所沢などがある。



自治体との取引では、自治体から指定管理者に選定され、官民協働による施設の設置・運営を行い、自治体とともに街づくりを支援している。2017年8月には、指定管理者として東京都立川市の駐輪場運営を行っているなかで、自主事業の一環としてレンタサイクルを開始した。また2021年4月には、東京都江戸川区内の4駅(船堀駅、西葛西駅、葛西駅、葛西臨海公園駅)において、江戸川区が駅前放置自転車対策の一環として整備した駐輪場の指定管理者に選定され、15ヶ所22,900台分の駐輪場とレンタサイクル770台の管理運営を開始した。



ユーザー利便性向上や運営管理コスト削減に向けて、2019年11月には一部施設において駐輪場キャッシュレス決済サービス(精算機操作不要)を開始した。集金・メンテナンス回数が減少するため管理コストを削減できる。タッチレス精算のため新型コロナウイルス感染対策としても好評であり、順次導入を拡大する方針だ。また自転車を利用したライフスタイルを提案する場として、サイクルショップ「STYLE-B」(東京都品川区)を運営している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)