■業績動向



1. 2022年3月期第1四半期業績概要

昭和産業<2004>の2022年3月期第1四半期(4〜6月)業績は売上高68,875百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益1,042百万円(同54.4%減)、経常利益1,347百万円(同50.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益823百万円(同57.1%減)となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)に伴う緊急事態宣言による影響から2021年4〜5月は特に厳しく、自粛解除後は回復傾向にあるが勢いは鈍かった。家庭向けの小麦粉やホットケーキミックスは好調なほか、配合飼料等の販売数量の増加が見られた。一方で、コロナ禍による企業のテレワーク推進などの影響により、コンビニエンスストア向けのパンや外食店(ラーメン店など)向けの業務用食材の落ち込みが大きかった。



2. セグメント業績

製粉事業は売上高20,150百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益762百万円(同80.3%増)となった。業務用小麦粉の販売数量については前年同期を下回った一方で、冷凍食品やテイクアウト等の新たな市場や需要への取り組みに注力したことにより、業務用プレミックスの販売数量については前年同期を上回った。ふすまの販売数量は前年同期を下回った。販売価格については、輸入小麦の政府売渡価格が2021年4月に平均5.5%(税込価格)引き上げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施した。加えて、冷凍食品やテイクアウト等の新たな市場や需要への取り組みに注力した効果が大きかった。



油脂食品事業は売上高23,841百万円(前年同期比19.4%増)、営業損失176百万円(前年同期は963百万円の利益)となった。大豆、菜種、パーム油などの原料価格が、過去にないほど大幅で急激な高騰をしたことが要因である。価格改定を最優先に取り組んだものの、コスト上昇を吸収できなかった。なお業務用については、製粉・糖質事業等との連携による販売拡大と新たな販路開拓に取り組んだ効果は見られ、さらにボーソー油脂(株)を子会社化したことで、業務用油脂の販売数量は前年同期を上回った。また、外食向けの売り上げが増加し、業務用食材の販売数量も前年同期を上回った。家庭用ではコロナ禍による内食消費傾向は継続しているが、前年同期に巣ごもり需要が続いた反動により、家庭用食用油、小麦粉、プレミックス、パスタの販売数量は、前年同期を下回った。



糖質事業は売上高11,763百万円(前年同期比33.2%増)、営業利益224百万円(同60.4%減)となった。子会社の敷島スターチ(株)やサンエイ糖化(株)との連携による低分解水あめ、粉あめなどの独自商品群の拡販に努め、糖化品の販売数量は前年同期を上回った。一方で、コーンスターチの販売数量はビール用途等の需要が減少し、加工でん粉の販売数量についても食品用途・工業用途ともに需要が減少したことから、前年同期を下回った。利益面では、サンエイ糖化の子会社化による増益要因があったものの、原料穀物相場の高騰によるコスト上昇や鹿島工場の一部操業停止の影響により前年同期を下回った。



飼料事業は売上高11,880百万円(前年同期比6.2%減)、営業利益219百万円(同12.9%減)となった。原料穀物相場が大きく上昇するなか、配合飼料及び鶏卵の販売数量については、前年同期を上回った。配合飼料については、コロナ禍による影響は限定的であった。



その他は売上高1,239百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益403百万円(同13.3%減)となった。倉庫業については、コロナ禍の影響による荷動きの停滞により貨物収容スペースが圧迫されるなか、隣接する同社関連サイロ会社との連携を図り、効率的な荷役に努めた。2021年3月に操業を開始した植物工場については、安定的な操業・生産及び高付加価値な野菜開発に努めた。



(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)