■業績動向



1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要

ケアネット<2150>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比106.9%増の3,817百万円、営業利益で同200.4%増の1,387百万円、経常利益で同204.4%増の1,399百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同430.4%増の954百万円と大幅増収増益となり、期初会社計画に対しても大きく上回って着地した。コロナ禍の影響により製薬企業の医療機関への訪問営業活動の自粛が続くなか、引き続き「MRPlus」やWeb講演会等のeプロモーション案件の受注が好調に推移した。利益面では、人員体制の強化やアドメディカの子会社化によって人件費を中心に販管費が増加したものの、増収並びに原価率の改善に伴う売上総利益の増加により大幅増益となった。



四半期ベースの業績推移を見ると、2020年12月期第4四半期をピークに、2四半期連続で売上高が前四半期比で減少しているが、これは季節変動の影響によるもので、足元の受注状況からするとピークアウト感はない。同社の過去のトレンドを見ると、売上高は第2四半期が年間を通じて最も低くなり、第4四半期にピークを迎える季節性がある。2020年12月期はコロナ禍で「MRPlus」やWeb講演会のニーズが一気に高まり新規顧客の獲得が進んだことも売上高の急成長につながった。2021年12月期も新規顧客の獲得による増収効果があったが、例年の季節変動の範囲での動きになったと見ることができる。



会社計画に対する上振れ要因として、売上高については期初段階で不確定な案件を計画に含めていなかったが、これら案件の受注が確定し売上貢献したこと、並びに新規顧客の獲得が進んだことも上振れ要因となった。利益面では増収効果に加えて、リモートワークの推進など販管費の効率化に取り組んだことや人材採用に関して当初計画よりやや遅れたことなどにより支出が抑えられたことも上振れ要因となっている。



(1) 医薬DX事業

医薬DX事業の売上高は前年同期比110.9%増の3,327百万円、営業利益は同142.0%増の1,888百万円となった。前述のとおりコロナ禍を背景に製薬企業からの「MRPlus」、Web講演会等のeプロモーション案件の受注が拡大したことが要因だ。「MRPlus」、Web講演会ともに増収率は同程度となっている。顧客企業数についてはコロナ禍以前の50社台から約70社まで増加している。また、eプロモーションサービスの基盤となる「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2021年6月末現在で18.9万人、前年同月比で17.1%増と順調に拡大しており、製薬・医療業界においてDXが進んでいることがうかがえる。



(2) メディカルプラットフォーム事業

メディカルプラットフォーム事業の売上高は前年同期比13.4%増の178百万円、営業利益は同11.7%減の22百万円となった。2021年6月末の「CareNetTV」有料会員数が6,101人、前年同月比で19.1%増となったことにより、「CareNetTV」の売上高が前年同期比19.4%増の163百万円と好調に推移した。新型コロナウイルス感染症関連の最新情報のコンテンツを充実させたことや専門医試験対策等の人気シリーズの拡張を図ったことなどが会員数の増加につながっているものと見られる。一方で、「ケアネットDVD」を含むその他の売上高は同26.0%減の15百万円と減少傾向が続いた。



利益面では、新型コロナウイルス感染症関連のライブコンテンツ制作本数を増やしたことに伴う売上原価の増加が減益要因となった。なお、「CareNetTV」のみの売上高について見ると、有料会員数の増加に伴って右肩上がりに増加しており、2017年12月期以降では年率14%のペースで成長が続いている。



(3) 連結グロース事業

連結グロース事業の売上高は前年同期比212.3%増の350百万円、営業損失は6百万円(前年同期は17百万円の損失)となった。増収要因の大半は第1四半期より子会社化したアドメディカの寄与と、ケアネットワークスデザインによるキャリア事業の成長によるものとなっている。利益面では、まだ投資段階の子会社が多いため若干の損失となっているが、第2四半期だけで見ると4百万円の黒字となっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)