■要約



フリービット<3843>は、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)へのインフラ提供やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体通信サービス提供者)としてのMVNO※1への参入支援、バーチャルデータセンター(VDC)※2を中心とするクラウドインフラの提供、インターネット・サービスにおけるコンサルティングやソリューションなどの様々なサービスを、主に法人向けに提供する。また、グループ会社を通じて、個人向けのISPやMVNOサービス、Webマーケティングサービス、集合住宅向けのインターネット関連サービスなどの事業も手掛けている。事業セグメントは新中期経営計画(以下、新中計)「SiLK VISION 2024」の始動を経て、5Gインフラ支援事業、5G生活様式支援事業、企業・クリエイター5G DX支援事業という構成となった。



※1 Mobile Virtual Network Operatorの略。(株)NTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>のような無線通信基盤を有する事業者から回線を借りて独自の通信事業を行う事業者。

※2 データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。





1. 2022年4月期第1四半期の業績動向

2022年4月期第1四半期の業績は、売上高は10,669百万円、営業利益は1,032百万円、経常利益は1,015百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は563百万円となった。なお、同社は当期から「収益認識に関する会計基準」を適用していることから、前年同期との単純比較はできない。また、「前期にオフバランス化した事業」「前期に行った戦略投資」「子会社(株)ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)の決算期変更」といった要素もあり、これらの影響を反映させた「補正数値」での業績比較を公開している。未監査な数値ではあるものの、これによると、前年同期との業績比較は売上高で5.5%増、営業利益で29.5%増、経常利益で30.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益で56.1%増となった。5G生活様式支援事業で提供する集合住宅向けインターネット・サービスが堅調に推移したほか、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う需要等を取り込んだことで5Gインフラ支援事業におけるMVNEの帯域増加・利益率改善が奏功した。コロナ禍を中心に同社にとっての追い風が吹くなか、高い訴求力を武器にした市場開拓が進み、加えて採算も改善したことで、同社の収益性の高さが確認できた点を弊社はポジティブに評価する。



2. 2022年4月期通期の業績見通し

2022年4月期の連結業績予想について同社は、売上高で43,000百万円、営業利益で2,500百万円、経常利益で2,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で600百万円を予想している。第1四半期末時点での各項目の進捗率は売上高で24.8%、営業利益で41.3%、経常利益で43.2%、親会社株主に帰属する四半期純利益で93.9%と高い水準となった。ただ、同社は第2四半期後半から第3四半期にかけて集中して投資を実施する計画であり、現時点では業績予想の上方修正を期待するのは時期尚早と考える。投資のほか、同社は全社的にグループリソースを活かした各事業インキュベーションの取り組みを加速させるほか、新中計「SiLK VISION 2024」達成に向けた、さらなるDX人材の採用、基礎技術の開発、新サービスの開発を積極的に推進する。



3. 中長期の成長戦略

「SiLK VISION 2024」は同社グループの10ヶ年計画の第1弾であり、5G時代におけるPlatformer Makerとして“指数関数的に成長する技術”による事業の拡大を目指している。持続可能な社会の実現に貢献しつつ、同社グループが世界的な成長領域と考える「モバイル革命領域」「生活革命領域」「生産革命領域」にフォーカスを当てて経営資源を集中的に投下することで、2024年4月期の売上高500億円、営業利益50億円の達成に向けた事業展開を推進している。



■Key Points

・2022年4月期第1四半期はコロナ禍を背景とした需要拡大を取り込み、5Gインフラ支援事業が好調に着地

・2022年4月期通期は、技術開発やインキュベーション加速を計画

・「SiLK VISION 2024」にて、生産革命領域などを中心に新たな成長材料を開示



(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)