■要約



アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aを始め、独自スキームの構築による人材獲得に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数及び管理人数は13万名を超える(技術・製造系では国内業界最大)。景気変動の影響を受けない事業構造への変革や今後の環境変化等を見据え、拡大するエンジニアニーズへの対応や公共関連サービスの強化、米軍施設向け事業の拡充など、グローバル規模で事業を拡大してきた。今後は、派遣DX化を含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革及び新たなビジネス機会の獲得にも取り組む方針である。



2021年2月15日には国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、「SDGs宣言」を行った。世界の様々な人々の「就業機会」と「教育機会」の創造、さらには技術と教育の力で一人一人の生産性を向上させることで、人々の暮らしを豊かにすることに貢献し、同社グループの成長にもつなげていく考えである。



2021年12月期上期の業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比53.3%増の264,712百万円、営業利益が同268.6%増の11,994百万円と計画を上回る大幅な増収増益により、過去最高業績(上期ベース)を更新した。コロナ禍の影響が長期化するなかで、すべての事業が伸長した。特に、コロナ禍をきっかけとした新たな需要の取り込みや派遣DX化を見据えた差別化提案等により、国内事業が好調に推移したほか、海外事業についても各国のロックダウン等による活動制限の影響を受けながらも、2021年1月に連結化したCPL RESOURCES PUBLIC LIMITED COMPANY(アイルランド)(現 CPL RESOURCES LIMITED、以下、CPL)による寄与(シナジー創出を含む)やeコマース関連事業の需要拡大など、好調分野を伸ばすことにより計画を大きく上振れる進捗となった。利益面でも、増収に伴ってすべての事業が増益となり、営業利益率も4.5%(前年同期は1.9%)と大きく改善した。また、将来に向けた活動面でも、注力する次世代型ビジネスモデル(派遣2.0やCSM)が順調に伸びてきたことは特筆すべき成果と言える。



2021年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、期初予想を据え置き、売上収益を前期比44.0%増の528,000百万円、営業利益を同75.1%増の25,100百万円と大幅な増収増益の実現により、2年目を迎える中期経営計画における計画値を上回る水準を見込んでいる。なお、上期実績が計画を上回ったにもかかわらず、通期業績予想を据え置いたのは、世界規模で新型コロナウイルス感染症の変異株が急拡大し、事業環境の先行き不透明感が増大している点や、為替変動を精緻に見積もることが困難であるなどの不確定要素に鑑みたことが理由である。弊社では、上期実績や採用面での進捗、好調分野の需要拡大などを勘案すれば、通期業績が期初予想を上振れる可能性が高いとの見方をしている。



同社は、2020年12月期より5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進している。世界各国で急速に進行する環境変化への迅速な対応を図るとともに、新たに発生したビジネス機会を同社の成長に取り込む戦略となっている。特に、1)海外就労者サポートサービスの拡大、2)エンジニアとテクノロジーを融合した「派遣2.0」モデルの推進、3)米軍施設向け及び政府公共系ビジネスの更なる拡大、4)グローバル人材流動化ネットワークの確立、5)WBBプラットフォームの構築により、ビジネスモデルの更なる進化や抜本的な変革に取り組み、最終年度となる2024年12月期の売上収益8,200億円(5年間の平均成長率17.8%)、営業利益650億円(同33.6%)を目指している。



■Key Points

・2021年12月期上期は計画を上回る増収増益により、過去最高業績(上期ベース)を更新・コロナ禍をきっかけとした新たな需要の取り込みや派遣DX化を見据えた差別化提案等が奏功したほか、海外での大型M&A(CPL)、好調分野などが業績の伸びをけん引

・2021年12月期の通期業績予想については現時点で期初予想を据え置いたが、通期でも大幅な増収増益を見込む

・5ヶ年の中期経営計画「VISION2024」を推進。派遣DX化を含めた環境変化を踏まえ、ビジネスモデルの抜本的な変革に取り組む



(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)